「見つけたぞクヴァル!」


セレネたち解除すんの早!!俺たちが着いた時にはすでにワープは稼働していた。これも全てロイドのせいだ、何て思いながらワープをくぐった先にはやはりクヴァル。それから、立体映像的な感じでけばいおばさん(言わないけど)がそこにいた。

〈それがロイドかえ?なるほど、面影はあるのぅ………ん?…そちは…“聖なる焔の光”…?〉
「だったら何か問題でも?」
「話を逸らさないで欲しいですねプロネーマ」


プロネーマって言うらしい。ついでに五聖刃の長らしい。ついでにこの朱色の髪、やっぱり目立つみたいだ。ていうか何もあのタイミングで戻らなくても…別にこの色が嫌いなわけじゃねーんだけど、ハイマでも相当目立ってたから…なんとかしたほうがいいか?(面倒だ)プロネーマとクヴァルは俺らそっちのけで魔導砲がどうのとか話をしていた。自分の髪の色のことで思考がトリップしている間にプロネーマの立体映像は消えていて、


「まぁいい。そのエクスフィアを取り返せば嫌疑など晴れるでしょう」

そういったクヴァルはいくつかの対戦闘用機械を従えて武器を手に俺らへ向き直った。結局戦うのか、なんて呆れたような俺の呟きを聞いていたのかいなかったのか、ロイドは二本の剣を抜いて、真っ直ぐクヴァルを見ていた。ちなみに嫌な予感がしたのは言うまでもない。


「やらせるか!!」

そして見事嫌な予感は命中した。対戦闘用機械を見事素通りしたロイドはそのままクヴァルに斬り掛かる。だから言っただろだから言っただろ!!(←)俺は今止めるべきだったのか…と心から反省しながら。俺も一応武器を抜いた。大体な、戦闘用機械を素通りなんかしたら、それから攻撃食らうに決まってんだろ…本当考えなしだな(前の俺のほうがいくらか慎重だったと自分で思う)

「シエル!あんたはロイドを頼むよっ」
「こっちは任せなさい」
「りょーかい」


リフィルとしいなに対戦闘用機械を任せ、俺は急いでロイドの方へ駆け寄った。術を喰らったのか、ロイドは少しクヴァルから離れた場所にいて、溜息をつきながら一応治癒術をロイドにかける。それに気付いたロイドが俺を見た。

「無茶すんなよ」
「分かってるって!」

分かってんのか、彼奴本当に分かってんのか。ちなみに分かってなかったが。俺の警告を聞きもせずに、真っ直ぐにまたクヴァルへと走っていったロイド。また俺は深い溜息をついて、いつでも術を放てるように詠唱体勢に入る。ロイドはクヴァルの攻撃を避けて、懐に入り込み、下から斬り上げるようにクヴァルに攻撃した。「虎牙破斬!」少し宙に浮いたクヴァルを更に上から斬りつける。地に倒れはしなかったものの、少し体勢が崩れたクヴァルにそのまま体当たり。「獅子戦吼」だ……。うわぁ、ちょっと強くしすぎたかも、なんてそんなことを思いながら。


「シエル、今だ!!」

ロイドが下がったのを見て、詠唱を始める。ダウンしているからしばらく起きれないだろうと見ての詠唱だけど。詠唱した方が威力上がるし。これ以上やるのかったるいから一撃で終わらせようかと。

「全てを灰燼となせ…エクスプロード!」

クヴァルを中心に第五音素が急速に集まりある程度集まった瞬間に、そのまま炎を巻き上げながら爆発をした。強い炎に巻かれながらクヴァルの叫び声が聞こえる。うるせーとか思っていたら、今度は第四音素がそのクヴァルの頭上に集まっていた。


「スプラッシュ」

声と同時に炎に包まれるクヴァルの頭上から大量の水が落ちていった。炎は消えたものの、まだ余韻でか残っている。致命傷だな、なんて思いながら振り返る。あんな遠慮なしの術ぶっ放つのは##NAME1##しかいないだろ。案の定、すっきり笑顔のセレネが音叉を片手に笑っていた。

「早かったな」
「ちょっとね」

何をやったんだ、とか思いながら苦笑い。やけにクラトスが疲れているように見えたのは、多分気のせいじゃないだろう。気のせいじゃないと思う…。ロイドが仇を取った、と喜ぶ声が聞こえた。そんなロイドを苦笑いしながら見ていたわけで。仇取って、だからどうなるってことじゃないと思うんだけどな。なんて笑いながら。


|
[戻る]