「ほう、これは驚きました。鼠というからてっきりレネゲードのボータかと思いきや、手配書の劣悪種とは…」
「あんたのがよっぽどネズミっぽいわよ」
「ちょ、セレネっ!!」


いきなり現れた奴な言葉に思いついたままの言葉を返したらネズミ(仮)に睨まれて。気付いたしいなに慌てて口を塞がれた。ネズミっぽいのはあんただろーが、鏡を見なさい鏡を。絶対彼奴がネズミだと思ってるのは、私だけじゃないわよ。ちなみにネズミ(仮)は私を見て、何故か頷いていた。なんの用なのかしらネズミが

「お前、誰だよ」
「人の牧場に潜入しておいて何を言う」
「いつもの逆だね、ロイド」
「うるせーっ!」

全くの正論をネズミ(仮)に返されたロイドは、ジーニアスにからかわれていて。苦笑いな表情を作っていたのが見えた。そんな緊張感なしなやりとりに釘を刺したのはやはりクラトスで(でもやっぱり呆れてる)


「ディザイアンの五聖刃、クヴァルだ」
「さっすがクラトス!」
「いや、俺でも知ってるから」
「…なんで知ってるのよ」
「いや、昨日…」

忍び込んだ、とは言わない← データベースに潜り込んだ時に分かったらしい。それにしても、機械…扱えたのね(今更)シエル曰く「どっかの腹黒のせい、」らしい(眼鏡で嫌味な青服な軍人さんのことかしら)

「なるほど。昨夜鼠が忍び込んだと聞きましたが…それもあなた方ですか」
「だからテメェが一番ネズミっぽいだろーって言ってるじゃな、」
「セレネ!!挑発しないでー!」

必死にジーニアスが口を塞いできたから、冗談よ、と軽く笑って返した。ネズミ…あぁ、クヴァルだったかしら?は今度は私たちからロイドへ、正確にはロイドのエクスフィアへと視線を向けた。


「フォシテスの連絡通りだ。確かにそのエクスフィアは私の開発した、エンジェルス計画のエクスフィアのようでしたね!」

そう高笑いをしつつロイドへ近付くネ…クヴァルがぶっちゃけ気持悪い← それを見たコレットが「きもっ」と呟きながら、チャクラムを投げていたのが分かった。ちなみにそのチャクラムは見事なまでにクヴァルの後頭部に命中し、

「任せたわよシエル!」
「了解、っと」


チャクラムが命中し、後頭部を押さえるなんとも間抜けな姿を晒しているクヴァルに向かって、シエルが剣を抜いた。吹き飛んだクヴァルに背を向けて、他のディザイアンに攻撃を仕掛けようとしていたシエルに加戦しようとしていたロイドの首根っこをクラトスが掴んだ。ちなみに笑顔で参戦するつもりだったらしいコレットはリフィルに押さえ(?)られているため、攻撃出来ないでいた。



「行くわよ」
「なんでだよ!」
「まだ目的があるだろう」

クラトスの言葉にロイドが静かになった。まず最初は、ルインの人たちを助けることから始めなければ。道…シエルが覚えているんだけれど、まぁなんとかなるわよね!なんて開き直る。そして未だに動こうとしないロイドの頭を、取り出して握った音叉で思いっきりぶっ叩く。その横をジーニアスとコレットが通り過ぎ、強打させられた(?)ロイドはクラトスに引きずられながらリフィルから回復を受けていた。


「お先」

ひらひらと背中を向けて手を振るシエルに、片手を上げた。閉まった扉にひとまず息をついて、ロイドたちに振り返れば、回復したのか後頭部のこぶが消えたロイド。


「痛いだろ姉さん!」
「今回はロイドが悪いわ」
「リフィルの言う通り。ひとまず一旦逃げるわよ!」


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