「よーし!早くマナの守護塔の鍵探そうぜ」
「あら、忘れてなかったのね」
「此処にいるはずなんだよね〜?外にいるなかなぁ…」

マナの守護塔の鍵、ね。ジーニアスから話は聞いていたから、疑問には思わなかった。…てか超振動で開けられるだろ。あ、あれは壊すか。ロイドが先陣切って此処を出ようとした瞬間だった。影で何かが動いたのが分かった。それに、クラトスもセレネももちろん俺も足を止めた。ちょっとばかり遺跡モードだったリフィルも杖を握る。それが、誰なのか、知っている俺やセレネは武器を構えることはしなかったけどな。

影から姿を現したのは、先程までセレネとまったり話をしていたしいなだった。…暗殺とかなら…寝込み襲えばいいのに。そう思ったが場の空気に苦笑いするだけで終わった。多分、向かないんだろうなっていうのが俺の感想。


「待て!」
「あ、お久しぶりです〜」

姿を現したのを見て、ようやくロイドは気付いたみたいで(やっぱり危険察知能力を鍛えようか)まぁロイドは武器に手をかけただけで良しとしよう。問題はコレットだよ。なんで呑気に近づくんだ…。仲良いのか?とセレネを見れば、なんとも複雑そうだった。


「来るな動くな物に触るな!!!」
「…………賢明な判断ね…」

何故か脅えたように放たれたしいなの言葉に、コレットが少し落ち込んでいたのが分かった。が、一体何があったんだ。そう思いながらみんなに視線を向ければ、何故かそらされる一方だった。しいなは落ち着きを取り戻したのか、懐から札を取り出してこちらを見据えた。セレネに呼ばれて、後衛のリフィルやジーニアスの後ろに待機。何故か、コレットも。

「馴れ合うつもりはないよ。覚悟!」

そのしいなの言葉を合図に、戦いは始まった。しいなが出した式神(って言うらしい)をロイドが、しいなをクラトスが請け負っているのを後ろから見ていた。隣にはコレットがいる。さすがに狙われている自覚があるのか、前に出るようなことはしてない。


「シエルとセレネは戦わないの〜?」

コレットの言葉に苦笑いで返した。俺はセレネに手出しするな、って言われただけ。セレネはといえばロイドたちを見ていたあからさまにため息をついていた。ロイドが全く防御をする気がないから、だろ。多分。クラトスがそれをカバーしまくってて、逆にクラトスが危険になってる気が…。俺が剣術教えてやってもいいんだけどなぁ。俺、アルバート流以外使えねーし。




「ねぇねぇ、シエルとセレネは付き合ってるの?」
「「………………。」」


明らかに先程までロイドたちを見ていたセレネが動揺してた。ついでに俺も、コレットに切り返すのが遅れた。その意味に気付いたのか、コレットは今までにないほどに輝かしい笑みを浮かべて俺たちを見た。

「そっか〜。通りでアレだと思ったんだよね〜」
「アレって…なに?」

コレットの言葉に動揺しているのか、なんかセレネが変なんですけど。 聞くところが完全に変だし…ていうか目が泳いでるから。いや、お前なんでそんなに動揺してるんだ。逆に気まずいんですけど。

「いやお前それ聞くとこ間違ってるだろ。ていうか俺ら終わったじゃん」
「そうね。終わったわね」
「えー…つまんないの」

微かに笑顔でコレットが毒を吐いたような気がしないでもないが、…。気にしないでおこうと思う。


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