石舞台へ続く階段を上がりながら、途中で合流したクラトスが不思議そうな顔をして私を見た。
「…リフィルがやるのではなかったのか?」 「イズがアレらしいわ」 「セレネ、余計なことは言わなくていいわよ」
なんて会話を挟みながら、石舞台にまで辿り着いた。そこには既に町の人?と思われる人たちもいて。ふと見れば、目を輝かせている仲間と。呆れたようなクラトスとシエル。あぁ、私のせいじゃないのに。なんて言っても通じないだろうけれど。隣にいたアイーシャが心配そうな表情をしているのを見て、笑った。
「大丈夫よ。いざとなれば石舞台ごと精霊ぶっ殺すわ」 「なっ…!」
違った意味で固まってしまっていた。そのままアイーシャを素通りして、石舞台に上がる手前で、ふと気付く。普段、私は杖なんか使わないから持っていない。…別に音叉でも問題ないか、と思い右手から音叉を取り出した(何故か周りから歓声)一瞬、シエルの表情が歪んだのは…気のせいにしておきましょうか。
「姉さん、なんであんな目立つことすんだろ…(かっこいー)」 「セレネには普通なんじゃない?」 「でもあれ、驚くよね〜」
なんてロイドたちが喜んでいたけれど、そんなに珍しいのかしら。コンラミネーション現象が。…そういえば、シエルも使っていたような気がする。 ともかく、取り出した音叉片手に石舞台に上がろうとしたところ。後ろから案の定シエルに引っ張られた。思わず冷や汗が流れたのは言わないでおこうかしら。振り返れば、やっぱりどこか黒いような笑顔。そんなスキルどこで身につけたのか(二回目)
「音叉没収な。それから…譜術なんか使ったら俺本当にキレるからね?」
少し怒ったような綺麗な笑顔は目だけが笑っていない。苦笑いしながら返事をしたら、ため息が返ってきた。此処に私が上がるのは、私が決めたことではないというのに。なんて理不尽なんだろうか。別にいいけれど。
分かった分かった、なんて二つ返事をしながら、舞台へと足をかける。また後ろから一つ、ため息が聞こえた。そのため息をついたシエルに、ロイドが駆け寄っていたことに私は気付かない。
「な、なぁシエル!大丈夫なのかよ!」 「ん?あぁ…今、調子悪いから、術なんか使ったら倒れそうだからなぁ」 「え、体調悪いの?」
コレットの言葉に「音素がなぁ…」と呟いたシエルに、子供3人は「ふぉにむ?」と首を傾げていたらしい。 そんな彼らに苦笑いしながらシエルは石舞台に顔を向けた。その手にはローレライの剣を握りながら、
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