「コンタミネーション現象…実に興味深いものね」
「まぁ、普通の人間がやってしまえば拒否反応を起こして、精神汚染とかもあり得るような危ないものだけれど」

先程唐突に出した音叉の行方が気になっていたらしいリフィルに説明していた時、ふと辺りが静かになっていることに気付いた。どのくらい話し込んでいたのか分からなかったが。冷やかな視線が見えて、苦笑い気味に小さく笑った。

「…あら、ごめんなさい」
「船…このご時世に船なんて出ているのかしら」

すっかりと話を次の封印の地の場所へと移していたリフィルに軽く呆れた。同時にクラトスも同じようなため息をついていたのが見えたけれど。懐から出した地図を見ながら、何やらリフィルが深刻な表情をしているのが見えた。



「セレネ!見て見て〜!!ほら、羽根だよ!」

いつの間に神託は終わっていたのか、コレットが綺麗なピンク色の羽を広げてこちらへと近付いてくるのが分かった。それを見ながら、小さく笑った。私に見せるように、くるりと一回回ったコレットがはにかんだように笑う。

「綺麗じゃない。よかった、わね…」

普通に出た言葉だった。けれど、次に感じた感覚に戸惑うような違和感を感じて、笑っていたから上手く笑えたかは不安だった。しかし私の違和感を感じ取れなかったのか、言われた言葉が純粋に嬉しかったのかコレットが笑っていた。気付かれなかった、と小さく安堵して。


「姉さん!コレット!早く来いよ!!」
「あ、待ってよロイド〜!!」

呼ばれた声にコレットはロイドの方に走って行った。そこでジーニアスも入れて3人で騒ぎながらワープへと足を踏み入れていて、リフィルはその3人のあとに続いた。その様子を見ながら、眉をしかめていた。


感じたのは、凄くふわふわとしていて、不安定な音素(あ、マナか)だった。あれは、どこかで見え覚えがある。元々音素の流れを読むのは得意だった、というよりも、そのせいであの場所にいたのだけれど。と少し皮肉に笑った。小さな揺らぎを見せたコレットの音素に、様子を見た方がいいか、と結論づけてワープへと歩き出す。少し後ろに歩いていたクラトスが私を見ていたことには、気付かなかった。

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