「シルヴァラントには互いにマナを搾取しあうもう1つの世界がある」 「テセアラだな」 「そう。そしてこの歪な2つの世界を作り上げたのはクルシスの指導者、ユグドラシルだ」
一瞬にして室内に沈黙が落ちた。あぁ、だから言ったのに、とシエルと二人で頭を抱えた。ユアンは「どうかしたのか」なんてボケを噛ましてくれている。沈黙するに決まってる。 世界を創った、などというのはかなり非現実的すぎて。私も最初は殴ったわよ。ただ何の情報も持たない私には、それを信じるしかなかった。否定するのに、非現実的だという理由はとても通用しないから。
「世界を作る?馬鹿馬鹿しい!そんなこと出来るわけないよ!」 「そう思うのなら、此処でその話は終わりだ」
真っ先に我に返ったジーニアスの叫びに、ユアンは背中を見せた。信じてもらえなくても構わないみたいだけれど、話は進まないらしい。そんな状況を苦笑いしながら見ていた。
「……待てよ、2つの世界を作ったのがユグドラシルなら、お前たちはそんな連中相手に何をしようとしてるんだ?それだけじゃない。お前たちはコレットの命を狙ってた。俺のことも、だ。到底味方とは思えない。それなのに、どうして俺たちを助けたんだ?」
別にレネゲードいなくてもなんとかならなくもなかったし。なんて内心呟いた。実際レネゲードが助けたかったのはコレットと私とシエルだろう。コレットをあのままにしておけば、シルヴァラントは再生されるだろうから。私たちはまだ利用出来るだろうし、 それだけではない気もするが
「…満更馬鹿でもないらしい」 「何っ?!」 「自覚あったね」 「そうみたいね」
リフィルと畳み掛ければ少しだけ静かになったロイドにジーニアスとシエルは呆れていた。話が進まないって誰のせいかって多分私のせい←
「…とにかく、レネゲードの目的はマーテル復活の阻止。その為には、マーテルの器となる神子が邪魔だったのよ」 「ん?セレネはレネゲードに雇われてたのか?コレット、殺そうとしただろ!」 「あぁ…あれは、………大人の事情」
ぶっちゃけた話、ユグドラシルとクラトスを誘き寄せるため…とか。本当ならば、コレットが天使化する前にレネゲードが到着するはずだったのだから、あれをする必要はなかったの。
(自分のため、とも言えるけれど) 理由をあとからつけたにしろ、本当の意味は1つしかない。それは多分、しいなとシエルしか知らないだろうけれど。
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