「…れあばーど?」
「アルビオール縮小版」
「あ、空飛ぶ奴か」

目の前にある不思議な乗り物を目の前に、アルビオールで納得したシエル。レネゲード、ディザイアン(というよりクルシスかしら、)特有の技術特化だ。まだシルヴァラントにもテセアラにも、こんなものは広まっていない。


「………ガイが喜びそうだな…」
「そうね」
「……持って帰ろっか、一個」
「説教から逃げたいのね」
「うん」
「即答?」

2年も待たせた挙句に異世界にいました、なんて。眼鏡の実験の犠牲になるよ。なんて言っているシエルにため息。だからって、わざわざこんなもの持って帰らなくても。


「あぁ、お前たち。悪いが二人でそれを使ってくれ。予想外にも数が足りなぐふっ!!」
「ユアン、テメェ最初から俺らの頭数知ってただろ!なのになんで忘れて…っ」
「ルーク、アッシュが出てるわよ」
「ハッ!!…あのアホローレライがコンタミネーション現象起こってた時に無理矢理引きはがしたから中途半端記憶が…」
「…シエル、そろそろユアンを離したら…?」

胸ぐら掴まれ、振り回されていたユアンは半ば白眼を向いていたらしく、レネゲードに心配されていた。それを後目に逃げるようにレアバードに飛び乗ったシエルに深くため息をついた。


「第七音素の暴走…か、」

人知れず呟いた。その答え、恐らくあの救いの塔にしかないだろう。ただ、次に入れるのはいつか。考えても仕方ないことが、ぐるぐると頭の中を回っていた。くだらない、答えは出ないのだから、と呟き、少し急いでシエルのあとを追った。


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