Novel
15

やって来ました、放課後。

やって来ました、



「…柏木くん。なーんでこんな答えになるのかな?ん?」

「なんででしょう…」

「ハナから公式間違えてっからだよね」




地獄の時間。(愁の)





「…なぁ、あの問題解き始めて何分経った?」

「…30分だな」

「根性いるな、あれは」

「山本の上を行くとは…」

「ちょっ!失礼っすよ!」

「事実だし」

「しかしまぁ…」

「侮れない」

「「(なんで星人…!!)」」





「んー、と。因数分解だろ?要はだな、括って持ってくるんだよ、外に」

「んー、なんで括るんですか?」

「それが因数分解だ」

「因数分解ってなんで因数分解って言うんですか?」

「今それ関係ないよね。そこ疑問に思うならこの問題解けないことに疑問を覚えよっか」





「…それに対応している我が幼馴染…」

「愁、凄い」

「…俺、宮野に惚れそう」

「夜久ゥ!?」

「夜久さん!?」

「愁さん、凄い」

「凄いよな、宮野。あとで緑茶を買ってあげよう」

「菩薩…!」







「んじゃ、ここからここの問題解いてみて。出来たら呼んでな」

「はーい」



カリカリと解き始めたのを見て、自分のテスト勉強をし始める。苦手な国語からするが、隣からの視線が嫌に気になる。



「……なんですかね、鉄さんや」

「お疲れですか、愁さんや」

「見て分かりませんか、ねぇ、鉄さんや」

「相当キテいるのは見て分かります、愁さんや」

「……………」

「……………」



ガシッ


「舐めてんのか?舐めてんだな?よーし表出ろや。今日こそはそのトサカ引きちぎってやるわ」

「オチツイテクダサイ、愁クン」


黒尾の胸倉つかんで凄む愁。命の危機と髪の危機を感じた黒尾は素直に謝る。


「ったく、こっちは苦手な国語解いてんだから邪魔すんな」

「国語なら俺教えてやろうか?」

「鉄に教わるくらいなら夜久か海に頼むわ」

「おー、俺ならいつでも教えてやるよ。その代わり数学教えて」

「全然OK」

「俺の扱いって…」

「クロ、落ち込まないで」

「研磨…!」

「鬱陶しいから」




「え、あの、く、黒尾さん、良いんすか?」

「あー、良い良い。いつものことだから」

「いつか復活して帰ってくるから」

「あいつの心は鉄のハートだから。名前の如く」

「ブッwwえ、うまっww宮野うまっww」

「だろ?伊達に長年幼馴染してねぇよ。な、研磨」

「うん、してない」

「お前らなぁ!俺をなんだと思ってんだよ!」

「「俺らの幼馴染の黒尾鉄朗」」

「あ、うん」

「ときめくな、キモい」


夜久からの辛辣な言葉にへこたれず黒尾は研磨と愁を抱き締める。本人らはウザそうだ。


「キャプテン!できました!」

「おー、見せてみ」


じーっと問題を見る。また変な回答をしてないか。愁の怒り噴火しないか。バレー部部員は自分の勉強そっちのけでこちらが気になる。



「ん。最後のここ以外出来てんぞ」

「わーい!やりました!」

「やれば出来んじゃん。なんで前の0点だったわけよ」

「んー、」


腕を組んで悩むなんで星人、基柏木。



「なんででしょう」

「ですよねー。はい、次」


だんだんあしらい方にも慣れてきたのかスムーズである。



「扱いが上手くなりつつある」

「流石は黒尾と研磨を幼馴染にもつ男」

「愁、いつも俺が頑張ったらアップルパイ焼いてくれる」

「できた幼馴染だ」

「やっぱ俺、宮野に惚れるわ」

「夜久ゥ!?」

「夜久さん!?」

「俺も」

「福永まで!?」

「ちょいちょい待ちなさい」

「なんだよ黒尾」

「愁は俺のです」

「「………………」」




「はァ?幼馴染だからって調子に乗んなよ、黒尾」

「クロ、愁は俺の」

「いやいやいやここは譲れないから!俺のだから!」

「俺の」

「福永ァ!?ちょ、ま、お、俺も!」

「待て待て、お前ら。愁は皆のもの、だろ?」

「「……はい、海さん」」

「ここ、図書館だから静かにな」

「「ハイ」」





「おー、出来てんじゃん!偉い偉い!」

「うへへー」

「んじゃ、次の項行こうな。…って、何してんのお前ら」

「「何でもないです、続けて下さい」」

「気にするな、宮野」

「? 海が言うなら…」


それから皆真面目に勉強をする。カリカリと言う音が響く。


バァーン!!


「宮野ー!!俺に数学と理科と社会と英語教えてくれー!!」

「クソ平テメェはちったぁ自分の頭で考えろ!!なんでも俺に丸投げしてんな!ボケ平!!」

「そこのお二人。ここは図書館なのでお静かに」

「す、すみません」

「ははー!怒られてやんの!」

「テメェもだよ、バカ平…ッ!」



押しかけてきたクソ平・ボケ平・バカ平、基行平の登場により勉強会は終了。それからは行平も混ざったバスケ部3人、バレー部6人で勉強会をしたそうな。






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