Novel
14

合宿が終わり、はい、日常こんにちは。


「えー、皆さん担任の先生や科目ごとの先生からチラチラ耳にしていると思いますが」



ゴクリ…




「来週から中間テストでーす」

「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」

「はーい、静粛にお願いしまーす」

「ジーザス!!!」

「テストキタァァァァァ!!」

「悪魔が!!悪魔がァァァァ!!」

「赤点が追ってくる!!」

「くーる!きっと来る!きっと来るぅぅぅぅ!!」

「どないしましょーーー!!!」

「………………………………」





パンパンパンパンパンパァン!!!




「うるっせぇんだよ!!静粛にって言ってんのが分かんねぇのか!!」

「「あい…すんませんした…」」


喚く1年・2年の頭を叩き、沈める。



「ったく、3年の方々を見習え!!まだ1週間あんのにこの落ち着きようを!」

「いやー、もう3年目だしな」

「今更喚くことでもないし」

「中間よりデカいもん俺ら背負ってんもんな」

「あぁ、受験な」

「あれこそ鬼だよなぁ」

「あぁ鬼だ」

「……すみません。悟り開くの止めてもらって良いっすかね」


収拾のつかないバスケ部。唯一希望の3年は悟りを開き始めた。味方がいない…!


「まぁ、何とかなるって。宮野」

「東野…。お前がキラキラして見えるよ…」

「え、そう?」


まともなのは東野だだ一人だった。ここまで来て、2年1年はもう駄目だと思う方が多いだろう。そして更に、今年の1年にはダークホースがいる。それは…



「キャプテーン!なんでこのシュートはこの形なんですか?」

「これって、なんでこうなるんですか?」

「なんでゼッケン青なんですか?」

「なんで副主将東野さんじゃなくて行平さんなんですか?」



通称、「なんで星人」である。その名の通り、もうなんでなんでと聞いてくる。それはウザいほどに。

こっちからすれば、なんでなんでなんで、言うの?という疑問だらけ。しかし、それは敢えて言わない。何故なら、なんでなんでなんで言うのと聞けばなんでですか?と返ってきてなんででもだわ!となるからだ。非常に面倒。




「なので、今日から1週間練習はなし!ちゃんと勉強して、赤点は取らないこと!取ったら次ある練習試合に出せないからな!」

「「ええええええ!!」」

「当たり前だボケ。てか2年!何今更反応してんだ!去年もそうだったろうが!」

「そーだけどさぁ」

「マジかぁ」

「…出たいなら、赤点は取らない!はい、以上解散!」

「「あざーした!」」




部室に行き、着替えて出る。歩いていると後ろからドンッと衝撃が。

「よっ、愁!おはよ」

「鉄、はよー」

「おはよ、宮野」

「夜久もおはよ」

「朝すんげぇ騒いでたな、バスケ部」

「騒いでたんじゃない。嘆いてたんだ」

「嘆く?」

「ほら、来週から中間だろ?」

「「あー…」」

「…えーっとそちらもやばい人居るのかな?うん?」

「居るんだよなぁ」

「居る居る。…1人な」

「マジで羨ましいわ、変えて」

「あ、じゃーさ、勉強会開かね?」

「おっいいな、それ」

「するって言ってもどこでやんだよ?」

「…図書館?」

「「無難だな、おい」」



教室に着いて、まだ先生が来てないから話す。

「まぁさ、試験勉強会を開くのは良いわけよ」

「?なんか問題あるのか?」

「バスケ部危ないやつ居たら連れてきても良いぜ」

「……マジで言ってる?」

「「え、うん」」

「二言はない?」

「「…え、うん…」」

「実はさ、なんで星人が俺の部にいるんだよ」

「「………」」


ガタガタガタッ



「ちょっ、どーした!宮野!!黒尾か!?黒尾のせいなのか!?」

「何で俺なんだよ!!ちげぇよ!!」

「宮野が可笑しくなる理由なんてお前以外に考えられるかァ!!」

「どんな極論だ!!」

「落ち着けお前ら。あと鉄は無実。なんで星人は実在する」

「ほォらみろ!!俺無実だろ!?」

「本当に居るのか?なんで星人」

「無視か、コラ」

「いるんだよー、これが」


とりあえず立ち上がっていた夜久と黒尾は席に座る。



「とにかく「なんでなんで」ばっか言う」

「へぇ、そんで?」

「この間あったらしい小テスト数学、0点」

「「……………」」

「なんで0点なのかなー?って聞いたら、「なんでなんでしょう?」って。……こっちがなんでやねん!!!」


バァンッッ!と机を叩く愁。その音にクラスメイトはビビる。ついでに側にいた黒尾・夜久もビビる。色んな意味で。


「ま、待て待て落ち着け、愁」

「そ、そうだ、落ち着け、宮野」

「これが落ち着いていられようか!?いや居られない!」

「「反語!?」」

「兎にも角にも、バスケなら俺1人で抑えられる。だがテストとなると俺自身もある。正直俺1人であいつの首根っこは掴めない」

「首根っこて…」

「相当キテんな…」

「なので、その試験勉強会になんで星人も追加でお願いします」

「愁くんの疲労が目に見えて浮かぶので」

「もちろん賛成します」

「あざーす」



そして、なんで星人をなんとかする勉強会を開くことが決まったのだった。

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -