Novel
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ぞろぞろと次の組み、次の組みと森に入っていく。そしてとうとう愁達の番。



「……あんさ、んなに引っ付かれると、歩けねぇんだけど」

「あ、赤葦ぃぃぃ!!隣に居る!?居る!?」

「居ます。だから宮野さんと俺の腕から離れて下さい」

「なんで俺にはくっ付かねぇの?」

「何かがお前には引っ付いてはならないと言ってたんだよ、きっと」

「え、俺って何?」

「弄り野郎」



「じゃあ、宮野・黒尾・木兎・赤葦チーム行っていいぞ。この端にある小さな祠に置いてある蜜柑を取ってきて帰って来たら終了!」

「何で蜜柑」

「食堂にいっぱいあってな!」





「じゃあいってらっしゃーい!」


その声と共に、4人は足を進めていく。安全と安心を考えて、ライトは愁と赤葦担当である。他2人に任せたらライトが何処かへ行き、肝試しどころでは無い。迷子になる。


「へぇ、夜になると結構暗いな」

「だな。昼とは全然違う」

「一本道ですけど、それがまた恐怖心を…」

「赤葦言うなー!!」

「煽りますね」

「ギャーーーー!!」

「…赤葦くん、楽しそうだな」

「あぁ、めっちゃ楽しそうだ」



ここは一本道で、特に曲がり道なんてない。あるとしたらカーブくらい。だからただ歩けば良いのだが、



「ギャーーー!!なんか!なんか!いた!!」

「音ォ!?音した!!後ろ!!」

「あそこ光ってるーー!!!」

「るせぇな!!一組先に行った奴らのライトだ馬鹿!!後腕握り過ぎだ!いてぇ!!」

「帰りたいぃぃぃ!愁ー!!赤葦ーー!!」

「黒尾くんは?」

「黒尾は頼りになら無いからいいーー!!」

「失礼だな、オイ!!」

「…あ、ありましたよ。祠」

「案外近けぇのな」

「蜜柑はっけーん」

「終わり?終わり?」

「蜜柑持って帰ったら終わりですよ」

「帰り道は…こっちか」



すると、後ろからガサっと音がした。それに振り返る4人。祠の後ろから音がした。


「……じょーだんですよねー?」

「…動物かなんかじゃね?」

「…でしょうね」

「ああああああ…」

「お前が怖いからヤメロ」


顔を青くして声を上げる木兎の頭をペシリと叩く愁。すると次はガタガタガタと音がした。


「ぅお、なんだ?狐か?狸か?」

「なんでしょう…。……あ」

「ん?」

「猫です」

「猫かぁ。へぇ、小せぇな!赤ちゃんかな」


赤葦が祠の後ろに回り見ると、そこには小さな子猫。抱き上げて愁に見せる。



「折角ですし、合宿所に連れて帰りましょうか」

「だな。ここじゃ可哀想だし、朝になったらまたどっかに戻ってるかもしれねぇしな。よーし、じゃあお前らもそろそろ帰え……」

「どうしました?」

「……あいつらどこ行った?」

「え?……居ませんね」

「ライトもねぇのにどこ行くんだよ」

「迷子にでもなりたかったんじゃないですかね」

「ったく、手がかかんな!帰り道探しながら帰っか」

「ですね」
















「…で、その赤葦くんが抱いている猫にビビって思わず逃げたわけか」

「…冷静に分析するのはいいけどさ、夜久。これどうにかしてくんね?」

「そろそろ暑いし重いし鬱陶しいです」

「だとよ。黒尾、木兎。お前らそろそろ2人から離れてやれ」

「怖い…肝試し、怖い…」

「ね、ね、猫なんかにな、ビ、ビビってなんかねぇよ」

「説得力の欠片もねぇわ」

「肝試しが怖いのはよく分かりした。来年からは無しにしましょうね」



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