Novel
05

「次移動か」

「グラマーだから視聴覚室だな」

「席自由?」

「さぁ、どうだろうな」



とりあえず行きますか、と教科書を持って廊下へ。視聴覚室は一年の教室前を通って渡り廊下を歩き隣校舎だ。


「…お、研磨」


黒尾が寝ている研磨を見つける。窓に近付き寝ている研磨の頭に手をポンと置く。


「ん…」

「よう、研磨」

「クロ…」

「眠そうな顔してんな」

「愁…。なんで、いるの」

「次視聴覚室なんだよ」

「夜久さん…」

「悪い悪い、起こして。まだあと5分あるから寝な」

「んー…」


ポンポンと愁が頭を叩くと研磨はまた腕に頭を置いて寝た。それを見て黒尾たちは行くかと歩き出した。

渡り廊下を歩きながら欠伸をする。二度ほど欠伸をすると目に涙が溜まる。あ、やば、落ちる。


「でさー、…って、えぇ!?ちょっ、愁!どした!?」

「あ?」

「なんで泣いてんだよ!何があった!?」

「泣くって…別に泣いてないけど」

「いや、でもお前涙流して…」


夜久に言われて頬に手を当てる。



「あ、あー、これな、欠伸したから」

「欠伸?」

「そ。欠伸」

「……なんだ、欠伸かよ…」

「びっくりした…」

「なんか、悪りぃ…」


めっちゃ心配してきた鉄と夜久。ごめん、これ欠伸だわ。すまんすまん。


「まぁさ、愁になんかあったら俺ら黙ってねぇし」

「まず黒尾と研磨が殴り込みに行くしな」

「おうよ。で、そのあと夜久と海とバスケ部部員が来んだろ。それからー…」

「分かった。めっちゃ分かったから視聴覚室行こう」



黒尾と夜久の間を抜けてスタスタと歩く。その姿を黒尾と夜久は見て、顔を見合わせると笑い、愁に後ろから抱きついた。


「なーに?照れてんの?愁ちゃん」

「ばっ、照れてねぇよ!」

「隠さなくていいって」

「だから、別に照れてないし!」

「意地っ張りな愁ちゃんも好きだぜ」

「ヤメロ、キモいから」

「そうだ、ヤメロ、黒尾。キモい」

「…あれ、夜久さんさっきまで僕側ではありませんでした?」

「なんのことやら、黒尾さん」

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