Novel
04

朝練が終わり、部室から出ると丁度隣からバレー部も出てきた。


「あ、愁さん!はざまーす!」

「おー、おはよ。そっちも朝練終わったんか」

「はい!あ、クロさんと夜久さん呼びましょうか?」

「あー、いや、いいや。どうせ後で会うし」

「こらー!愁くん!冷てぇぞ!」

「あ、クロさん」

「ウザ、え、マジウザい」

「…黒尾さんブロークンハート」

「お、宮野。教室行こーぜ」

「おー」

「ちょっ、やっくん!?愁くん!?俺も同じクラスだよな!?」

「知らねぇな。な、夜久」

「おう。知らない」

「おいまて裏切んな!!」


夜久と歩いていくその後ろ姿にアタックというなのハグをかます黒尾。


「てめぇちょっとは威厳持てよ、2年の」

「持ってますー」

「持ってんの?持ててんの?」

「いや、持ててねぇよ」

「だろうな。知ってた」

「やっくんも愁くんも辛辣」

「鉄」

「?」

「お前にだけだから」

「!」


こんなイジって遊んでおちょくるのはとは言わない。知らぬが仏。喜んでるんだからそれでいい。


「クロさん…」

「クロ、単純だから」

「相変わらず黒尾の扱いが美味いな、宮野は」

その後ろ姿を一年の研磨と山本と二年の海は見ていた。しっかりと。





教室に着いて席に着く。出席番号順とかではなく、好きなところに座れたので始業式の日に決めた席に座る。愁の前が黒尾で、愁の隣が夜久だ。席は窓側。


「あー、ここ日の当たりめっちゃイイじゃん」

「寝んなよ」

「寝ませんー」



10分後。


「グー…」


案の定、寝た。今は古典で、眠くなるのも分かる。それでもこっちだって必死に目ェ開いて起きてんのにてめぇなんで寝てんだ、コラ。寝ねぇんじゃなかったのかよ。


「ボソ) 宮野…」

「ボソ) ん?」

「ボソ) 一発やったれ」

「ボソ) 任せろ」



ゴンッ!!


「ッ!?」


ガタッ!!ガガッ!!


「ッいって!」


椅子の裏蹴ったら驚いたのか飛び上がって起きて椅子を後ろに引くからこっちの机にガッツリ当たって椅子と机に俺は挟まれた。超痛い。二次災害だ。


「んー?宮野くん。黒尾くん。どうかしたかな?」

「や、なんでもないです。続けてください」

「そうかい?じゃあ続けるね」


黒板に向き直った先生を見届けてから愁は黒尾の背中を拳でど突いた。


「ボソ) 何すんだ!」

「ボソ) 急に下から攻撃するからだろ!?」

「ボソ) てめぇが居眠りしてんのが悪りぃんだろーが!」

「ボソ) だってねみぃんだもんよ!」

「ボソ) 我慢しろや!男だろうが!」

「ボソ) それ関係ある!?」


そんな二人の掛け合いを隣の席の夜久は必死に笑いをこらえて見ていた。笑うなら収集つけてくれませんかね、夜久くん。と周りのクラスメートから思われているなど知らず。




「あー、びっくりした」

「こっちがびっくりしたわ」

「お前ら面白すぎだから」

「夜久は笑い過ぎだってば」

「それな。やっくん笑い過ぎな」

「やっくん言うな、黒尾」