ファイター、メイカー、ヒーラーは火球の元に呼ばれた。
ファ「太陽のプリンセスが?」
ファイターが驚いたように声を上げる。
火「はい。この星の調和と平和を祈りに1年間、来てくださるのです」
メ「太陽のプリンセスといえば、プリンセス・シルビアですか?」
火「そうですよ、メイカー」
ヒ「いつ来られるのですか?」
火「明日の朝こちらに着くそうです」
ファ「私たちがお迎えしたほうがよろしいでしょうか」
火「いえ、スターロードを通ってくるそうなのでお迎えは大丈夫だと言っていました」
ヒ「でも、まさかあの太陽のプリンセスがこの星に来てくれるなんてね」
ヒーラーが腕を組み、小さく笑いながら言う。
メ「ご加護を受けられるなんて光栄よ」
火「ではスターライツ、よろしく頼みましたよ」
「「「はい、プリンセス」」」
火球の部屋を出た三人は廊下を歩きながら話していた。
ファ「でも大変よね、太陽のプリンセスも」
ファイターがふぅと息を吐く。
ファ「この間は月の方へ行っていたんでしょう?で、次はこの星に。遠いところから来るんだからきっと疲れてるわよね」
ヒ「自分の星を統治しながらこの銀河も統治する人だものね」
メ「でも、いつだって笑顔を絶やさない人だってプリンセスが言ってたわ」
ヒ「…どんな人なのかしらね」
ファ「あら、珍しいわね。ヒーラーが気になるなんて」
ヒ「失礼ね、ファイター。私だってそれくらい思うわよ!」
メ「まぁ明日に備えて、私たちも今日は体を休めましょう」
ファ「そうね」
そして次の日の朝、火球を筆頭に3人がシルビアの到着を城の前で待っていた。
少しして、スターロードからシルビアが姿を現した。
白のすらっとしたドレス。
ふわっとした長い綺麗な黒髪。
目鼻立ちの整った、人形のような容姿。
プリンセスとファイター、メイカー、ヒーラーを見つけると花のように笑うその姿に思わず見惚れた。
火「ようこそいらっしゃいました、プリンセス・シルビア」
「わざわざお迎え感謝いたします、プリンセス・火球。そして、守護戦士である皆様」
火「長旅、お疲れになられたでしょう。どうぞ今日はゆっくりとお過ごしくださいな」
「お気遣い感謝いたします」
火「ファイター、メイカー、ヒーラー。プリンセス・シルビアをお部屋にお連れしていただけますか?」
ファ「分かりました、プリンセス」
メ「ではこちらへ、プリンセス・シルビア」
ヒ「段差がありますのでお気をつけください」
「ありがとうございます」
差し出されるヒーラーの手。
シルビアは嬉しそうにその手を取る。
間近でその笑みを見たヒーラーは少し顔を赤く染めた。
「では、プリンセス・火球。また後ほど」
火「えぇ。あぁ、プリンセス・シルビア」
「はい?」
火「どうか私のことは火球と呼んでくださいな」
「まぁ、よろしいのですか?」
火「勿論です」
「それでは私のこともどうかシルビアと」
火「まぁ、嬉しい!ではそう呼ばせていただきますね」
「はい、ぜひ!」
火「あぁ、引き止めてごめんなさい。では、また後でシルビア」
「はい、また後で、火球」
メ「こちらがシルビア様のお部屋です」
「こんなに素敵なお部屋、貸していただいてよろしいのですか?」
ファ「はい。シルビア様のためにご用意させていただきました」
「まぁ…、ありがとうございます。お心遣い感謝いたします」
ヒ「何かありましたらいつでも仰ってください」
「はい。あ、あの」
ファ「どうされました?」
「お名前、教えていただいてもよろしいですか?」
メ「申し遅れました。私はメイカーと申します」
ファ「私はファイターです」
ヒ「ヒーラーです」
「メイカーさん、ファイターさん、ヒーラーさん。私はシルビアです。1年間という短い時間ですが、この星の平和と調和を祈らせていただきます。どうぞ、よろしくお願いします」
メ「こちらこそ、よろしくお願いします」
ヒ「今日はお疲れでしょうから、ゆっくり休まれてください」
ファ「この城のことはまた明日、ご案内します。では、お食事の時にまた呼びに来ますね」
「何から何までありがとうございます」
メ「では、失礼します」
「はい」
パタンと、部屋のドア閉める。
ファ「…綺麗な人…」
ポツリとファイターが呟いた。
ヒ「本当ね…。それに、優しい、星の輝きを感じたわ」
メ「えぇ。温かい、太陽のよう…」
三人は、自然と表情が穏やかになっていた。
火球の温かく優しい、自分たちの命より大切なプリンセスとこのキンモク星とシルビアが良い関係になりますようにと、三人は思った。