新しい発見


ファ「シルビア!今から庭でお茶しない?」

「いいですね、しましょう」

ヒ「またファイターに抜け駆けされたわ!私が誘おうと思ったのに…」

ファ「早い者勝ちね」

ヒ「次は負けないんだから」

メ「騒がしいと思ったらまたシルビアの部屋の前で何をやってるの?」

ファ「シルビアをお茶に誘ってたのよ」

ヒ「で、またファイターに抜け駆けされたのよ」

メ「なるほどね。お茶なら美味しい茶葉が入ったわ。それを用意するわ」

「まぁ、楽しみですね!さぁさぁ行きましょう」



また日常が戻ってきて穏やかに過ごしている。






「このケーキとても美味しいです!」

メ「それは良かった。初めて作ったから美味しいか心配だったの」

「頬っぺたが落ちちゃいます」


ケーキを食べながらメイカーと喋るシルビアの姿をファイターとヒーラーは微笑ましく見る。




ヒ「ほら、シルビア。このスコーンも美味しいわよ」

「本当!とても美味しい!」

ヒ「ふふ、口の旗に付いてるわ」


ヒーラーがシルビアの口元に付いたスコーンの欠片を取り口に含む。


「ありがとうございます、ヒーラー」


じーっとファイターがシルビアを見る。
その視線に気づいたのか、コテンと首を傾げる。




「どうしました?ファイター」

ファ「んー…、ねぇ、シルビア」

「はい?」

ファ「シルビアの敬語って癖なの?」

「敬語ですか?」

ヒ「あぁ、それ私も思ってた。どうなの?」

「んー…癖、というわけではないと思います」

メ「なら、ぜひ砕けた感じで私達に話して欲しいわ」

「敬語をなくしてですか?」

ファ「えぇ」

ヒ「その方がいいもの」

メ「これからは、敬語無しで話してください」

「ふふ、分かったわ」


敬語を外して話すと3人は嬉しそうに笑った。
そこに火球が入ってきた。



火「ここにいたのですね」

「あら、火球!火球も一緒にお茶をしませんか?」

火「それは良いですね。今日の執務も終わりましたし、お邪魔させていただこうかしら」

ファ「なら、紅茶を淹れますね」

火「お願いします」

ヒ「ねぇ、シルビア。シルビア髪結ってもいい?」

「えぇ、良いわよ」

火「あら、まぁまぁ、ふふ」

「どうかしました?火球」

火「いいえ。ただ、日に日に仲良くなる貴方方を見ているととても微笑ましくなるのです」

「彼女たちはとても優しいです。このケーキもメイカーが作ってくれたものなんですよ。火球もどうぞ」

火「えぇ、いただきます。まぁ、本当。美味しいですね」

「でしょう?」



メイカーに良かったねと笑いかけるとメイカーも嬉しそうに、はいと言った。




火「そうでした。ねぇ、シルビア」

「なんでしょう、火球」

火「私にも砕けたようにお話ししてくださらない?」

「まぁ、よろしいので?」

火「貴方なら大歓迎です」

「分かったわ、火球」

火「ふふ」


火球は一層嬉しそうに笑うとまた一口、ケーキを食べた。
すると、ヒーラーが出来たと声を上げた。



ヒ「ハーフアップよ。どう?」

「初めて髪を結ったわ。今までずっと結わなかったから。似合ってるかしら?」

ファ「とてもよく似合ってるわ」

メ「えぇ、本当に」

火「可愛いです」

「ありがとう、ヒーラー」

ヒ「いつでも結ってあげるわ。したい髪型あったら考えててちょうだい」

「えぇ」



嬉しそうに手鏡を見ながら笑うシルビア。
のんびりとした空気が漂った。
















夜になり、ベランダから瞬く星を見上げていた。
この銀河は広い。まだ見ぬ星がきっとたくさんある。


ぼんやりと眺めていると、コンコンと部屋がノックされた。



「はい、開いてます」

「こんばんは〜…って言っても、分かんねぇよな」

「ちょっと早く中入ってよ、見えないでしょ」

「夜にすみません、シルビア」

「えっと、どちら様かしら…?」



部屋に訪れた3人の男性。
シルビアは見知らぬその人達に首を傾げた。



「えっと、まず、俺の名前は星野光。 変身すると、ファイターになるんだ」

「僕は夜天光。変身後はヒーラー」

「私は大気光です。変身後はメイカーです」

「……! 驚いた…、変身を解くと男性になるのね!」

星「こっちの姿も知っててもらおうと思ってさ」

夜「事情知らないでどっかでばったり会ったら混乱すると思って」

大「驚かせてすみません」

「いいえ。教えてくれてありがとう。貴方達のことをまた知れて嬉しいわ」

星「基本休みの日とかはこっちの姿で生活してるんだ」

「そうだったの…、気づかなかったわ」

夜「何でか全然会わなかったもんね」

大「行き違いになってたんでしょう」

星「まぁ、その、こっちの姿でもよろしくなってことで!」

「えぇ、もちろんよ、よろしくね!」


少し話をして、3人はシルビアの部屋を出た。



夜「シルビアびっくりしてたね」

大「見知らぬ、しかも男性が3人も居れば混乱するでしょう」

星「まぁこうして話せたんだし良かったじゃねぇか」

夜「まぁね」

大「秘密ごとはやめようって、3人で話し合いましたからね」

星「あぁ。シルビアには、知っててもらいたかったし」

夜「これでスッキリしたね」

大「えぇ」



3人の表情はスッキリとした、明るい表情だった。

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