崩れる日常
朝、いつも通りやってきた。
清々しい日光。香る金木犀。



コンコン


「はい」

ファ「失礼します、呼びに参りました」

「ありがとうございます、ファイターさん」


椅子から立ち上がり、ファイターのそばへ行く。
何気ない話をしてみんなの待つところへ。





「おはようございます、火球、メイカーさん、ヒーラーさん」

火「おはようございます、シルビア」

メ「おはようございます。朝ごはんができていますよ」

ヒ「おはようございます。さぁ、こちらへ」


椅子を引いてくれるヒーラーに一言お礼を言い、座る。

和やかな空気を漂わせ、変わらない朝ごはんをみんなで食す。


この平和が続きますように、と心から願った。



そんな時だった。




ドーンっ!!!


大きな音がこの星に響き渡り、揺れる。
ふらつく火球をメイカーが支え、椅子から落ちそうになったシルビアをヒーラーが抱き留めた。
ファイターはすぐにベランダへ出て辺りを見渡す。


黒い煙が彼方此方に漂う。
キンモク星の民たちの悲鳴が聞こえる。




ファ「プリンセスとシルビア様はここで待っていてください」

ヒ「私たちも応戦してきます」

メ「すぐに戻ります」

火「どうか、気を付けて…」

「大きな怪我などをしないよう…」

「「「はい」」」



走っていく3人の後ろ姿を心配そうに見送った。










ファ「スター・シリアス・レイザー!」

ヒ「スター・センシティブ・インフェルノ!」

メ「スター・ジェントル・ユーテラス!」



敵を殲滅していくが、数がなかなか減らない。
倒しても倒しても増えていく敵。



ファ「なんて数なの!」

ヒ「やってもやってもキリがないじゃない!」

メ「このままではプリンセスとシルビア様のところへ行ってしまうわ!」

カ「ふはははっ!その程度の力では、我が力には敵わぬぞ!」

ファ「くっ!」



カオスの攻撃を受け、ファイターが傷を負ってしまう。



ヒ「ファイター!このっ、よくも!スター・センシティブ・インフェルノ!!」

カ「ふっ、効かぬな!!はぁっ!!」

ヒ「あぁっ!!」



ヒーラーもカオスの攻撃を受け、飛ばされてしまう。


メ「プリンセスとシルビア様の元へは行かせないわ!スター・ジェントル・ユーテラス!!」

カ「効かぬ、効かぬわ!この星も、他の星のように滅ぼしてくれよう!!」

メ「うぅっ!!」

ファ「っ、私たちの攻撃が、効かないなんて…っ!」

ヒ「でも、これ以上先には行かせないわ!!」

メ「そうよ…、私たちはこの星の戦士…!こんな所で倒れるわけにはいかないわ!」



傷だらけの体に鞭を打ち、奮い立たたせて立つ。
カオスは含み笑いをし、3人に攻撃を浴びせる。
その攻撃をもろに受けた3人は倒れ込む。




カ「ふはははっ!!最早この星も滅びる!!己の無力さを悔いるんだな!!」



ここまでなのか…。
いつもの日常が、この星が、消えようとしていた。


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