happening



朝、普通に朝食を食べ終えて部屋に戻り教室へ向かった。


「やべぇ、古典の訳忘れた…」

「…あれっ!?今日古典あった!?」

「あったわ!午前訓練の後!」

「おーわ…。やってねぇ」

「な。やべぇ」




「…とか言って、そうそうノート見せてって言わないあたり良いとこだと思うんだよね」

「そういう点はな」


前を歩く2人の後ろに烏間と柴崎が歩いている。この2人は勿論きちんと課題は終わらせている。



「休み時間使ってなんとか終わらせるしかねぇな」

「俺の右手が火を噴くぜ」

「なんかちげぇよ。それ」

「え、そうか?」

「間に合いそうになかったら見せてあげるよ」

「出来る範囲までしたら良い」

「ぅおー!サンキュー!」

「あざーすっ!」


教室に着き、机に向かえば何かがある。



「……なんだそれ」

「……手紙?」

「……に見えるけどな」

「……真っ白な手紙」


赤井、花岡、烏間、柴崎は柴崎の机の上にとても綺麗にピシリと置かれている白い手紙を目に入れ立ち尽くした。



「…柴崎、何したんだ?」

「言ってみろ?自白したほうが楽だぜ」

「何もしてないから」


赤井と花岡が柴崎の肩に手を置いてそう言う。とりあえずその手紙手に取る。裏を向けても名前も書かれていない。



「…試しに読んでみたらどうだ」

「…うん」


烏間にそう言われ封を開け、中身の紙を取り出す。開いて中を読む。




「…ぇ、」

「…………」

「……おいおいおいおい」

「おい、マジか。なぁマジか」

「「柴崎マジか!!」」



《昼休み 裏庭 待ってます》



「やるなー!柴崎!」

「お前ならいつかこんなの来ると思ってた!」

「…柴崎?どうした」


手紙の中身を読んだまま動かない柴崎を不審に思い烏間は声をかける。



「…なんか悪い事したかな」

「「「は?」」」

「だって裏庭来いだよ?知らない間に俺この人に何かしてしまったんじゃ…」

「「「…………」」」



手紙を片手に深刻そうな顔をする柴崎に赤井は天を仰ぐ。花岡は顔を手で覆う。烏間は無言だ。




「……天然記念物」

「流石…我が校きっての癒し。無垢だ…」

「…………」

「昼休みちゃんと謝ろ」


そうだそうしよう。と結論付け手紙を封筒に直す。周りからの目や言葉なんて目にも耳にも入れずに。




午前訓練が終わり昼食後。


「柴崎、行かなくていいのかよ」

「あ、行く」

「まぁなんだ。健闘祈るっ!」

「喧嘩腰に言われたらどうしようか…」

「それはないだろうから大丈夫だろ」

「なんで言い切れるんだよ」

「「「なんでも」」」

「?」


ほらほらー行ってこいー!と赤井に言われて柴崎は裏庭に向かった。


「…っはぁー、柴崎って鈍いな!」

「あんなの告白に決まってんじゃんな!」

「鈍いというより、疎いんじゃないか?」

「あ、そう言えば中学は告白されたって言ってたもんな」

「じゃ疎いんだ。なるほどな」


まぁどうなるかね。帰って来たらどうだったか聞きましょうや。となり、柴崎が戻るまでそこで待ってる事にしたのだった。










裏庭に来た柴崎。早かったのか、まだ相手は来ていない。


「…何したかな」


思い出すもなかなか思い浮かばない。照り付ける夏の日差しの下、暑くてその日差しを手の平で遮った。


「はぁ、暑い…」

「あの…」

「…?…あ、」


声をかけられた方を向けばきっとあの手紙の差し出し主だろう。



「あの手紙って、」

「俺ですっ」

「…そうだよね」


じゃなかったら声なんて掛けないか。と心の中で苦笑い。見た所2年か、1年か…。3年ではなさそうだ。



「(理由聞いてから謝る方が良いのかな…)」

「あの、柴崎さん!」

「え?あ、はい」

「俺、1年の澤野です」

「1年なんだ…」


1年相手に自分は何をしたのかとさらに頭を悩ます。覚えもない。だが覚えがないから呼び出されるのかもしれない。

prevnext





.
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -