look 2



「…あれ、俺だけかな」

「…いや、お前だけじゃねぇ」

「…じゃあ俺もかな」

「…なら俺もだ」


あれさ、


「「「「…付き合いたてのカップルか?」」」」

「だよな!」

「おうよ!」

「いやな、あいつら仲良いよ?仲良い。表面性格ぜーんぜん似てねぇけど、中身真面目なのはそっくりだ」

「これは俺たち2人が言える!なんせ春から行動が殆ど一緒だから!」

「部屋もあの2人同室だよな?」

「それも大きいよなぁ。寝るまで一緒だもんよ」

「俺とお前も一緒だべ?」

「あぁ、だべな」

「…あれお前ら出身そっち?」

「いや、違う」

「首都圏ですっ」

「ややこしいわっ!」

「いや、話は戻して…」


なかなか散らばっていた男達は少し集まり始める。小さく、でも不思議ではない大きさに。


「会った時からあいつらもう知り合いだったよな?」

「おー。俺とお前みたいに、中学からとか?」

「にしたら、まだちょっと距離あるくね?」

「だなぁ…」

「てことは、たまたまどっかで知り合ったとか」

「運命の出会い!!」

「溝淵、漫画見過ぎな」

「でもまぁ、柴崎綺麗だからなぁ」

「烏間イケメンだもんな」



ちらり、とソファへ。ソファの背凭れに背を預けていた2人は片腕をその預けて向き合い何やら視線は下。何をやっているんだろうか。



「…このメール。ずっと来る」

「迷惑メールか。拒否したらどうだ?」

「拒否?そんなの出来るんだ」

「あぁ。なんだ、知らないのか?」

「知らない。どうすんの?」

「貸してみろ」

「ん」


烏間に携帯を手渡す柴崎。すると慣れた様子で操作する。それを柴崎は覗き込んで見る。



「…へぇ、特定のメールってそうやって拒否するんだ」

「あぁ。って言っても、俺も前まで知らなかったけどな」

「じゃあどうやって知ったの」

「説明書読んだ」

「読んだんだ。あれ読むんだね」

「その為にあるんだろ」

「そうだけど、あれ読む気なくなるよ」


これくらい分厚いし。と指で幅を表す。


「そんなにか?」

「あれ、違う?これ位?」

「…まぁ、それくらいか」

「さっきと大差ないよ」


口元を軽く手で覆って笑う柴崎。そんな彼を見て軽く笑うと携帯を返す。


「ほら」

「あぁ、ありがとう」

「…もうこんな時間か」

「結局出来なかったな、ここ」

「また明日すればいい」

「そうする」


すると2人はソファから立ち上がり後ろを見て、少し引く。


「…何やってんの?」

「男が集ると暑苦しいな…」

「悪かったな!暑苦しくて!」

「どうせお前らは清々しいわ!!」

「ついでに神々しい!」

「溝淵、止めなさい」

「なぁ、烏間、柴崎」

「なに?」

「なんだ?」


結川が2人に尋ねる。


「2人はいつから知り合いなんだ?」

「「烏間/柴崎と?」」

「えっ?あ、うん!」

「いつって…試験日だよね」

「そうだな。後期試験で初めて会ったか」

「え!試験日に会ったのかよ!」

「そう。落し物拾ったのが最初だよ」

「あれから考えると、8ヶ月か?」

「ちゃんと話し始めたのから考えると、4月からだから6ヶ月になるね」

「早いもんだな」

「な。…っと、そろそろ部屋に戻るんだった」

「ああ、そうだった。じゃあな」

「結川達もそろそろ戻った方がいいよ」


そう声を掛けると2人は出て行った。それを見送る?見続ける?…とりあえず見る残された者達。



「…案外俺らと変わんねぇのな」

「な。けど、仲の良さってのはあの2人お互いにお互いが1番仲良いって思ってんじゃないかな」

「それもまぁ見てれば分かっけどな」

「6ヶ月も長く一緒に行動してたら仲良くもなるわ!」

「だなっ」

「んじゃ、そろそろ解散しよーぜ」

「おー。また明日な」

「またなー」




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