俺たちを裂く出来事は突然起きたのだ、
紅い眼をしたあの忌々しい狐によって……



事の始まりは帝人が国を出たことだった
あの時は、帝人が

「ちょっと薬草をとりに行ってくるね」

と言ったのでなんなく外出を許したのだが…それがいけなかったのだ

そのせいでまさか帝人を失うなんて……


―国の外 迷い森の中―
木々が生い茂る森の中、帝人は困っていた
突如目の前現れた 赤い眼をした狐 に



「あの、何かご用ですか?」

『うん、君に興味があってね』

「は??」

と僕は間抜けな声を出してしまい、慌てて

「で、何の用ですか?」

と質問したが
目の前の狐はただただニコニコと笑っているだけで
何も答えてはくれなかった
なんなんだろう と心の中で呟きながら
とりあえず、薬草をとりはじめた


じーーーーーーーーー
(見られてるからやりにくいな…)
と思いながらも、次の薬草に手を伸ばした瞬間
狐に手を捕まれ、噛まれた。


「痛っ!? な、何するんですか!!」

『美味しそうだったから』

「なっ!?」

『あとは、印付けるため♪』

「えっ!?」



噛まれた手を見てみると、薔薇の様な模様をした赤い痣が浮かび上がっていた。


「こ、これ何とかしてくださいよ!!」

と僕が何回言ったって

『だーめ☆』

の一点張り

僕がどうしようと慌てていたら、急な眠気に襲われはじめた…

「な…に、これ……眠っ………。」

『やっと落ちたか♪
俺の唾液に含まれてる睡眠作用が効いてないのかと焦っちゃったじゃないか』

『でも、やっと手に入った…これからはずーっと一緒だよ 俺の帝人君 そう、ずーっとずーっとだよ…』


ーー深い森の中に一匹の狐が居ました。
彼は優しい少年に恋をしました。
そして狐は少年を手に入れる作戦を考えました。
少年を手に入れた狐は笑顔で帰ります。
狼は腕の中で眠る少年に笑いかけます……
歪んだ、歪んだ笑みを……。ーー


(これで君は俺の物になった♪嬉しいなぁ嬉しいなぁ♪)


(僕は、貴方に出会い、君と別れた)


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