誓って言うが、俺はゲイじゃない。
 2205年の今、同性愛は最早マイノリティではなかった。同性婚を認めていないのは少数の宗教国家のみで、多くの先進国――日本においても、同性婚は当たり前のものだ。あえて並べるなら、国際結婚くらいの珍しさ。柔軟になった風潮においては、機会さえあれば十分に在りうるというのが一般的な認識だ。
 しかし、それでも俺は自分をゲイだとは思っていない。同性愛者を差別する意識は無いが、単純に豊満な胸と尻、柔らかで丸みを帯びた肢体に甘える高い声にこそ欲望を抱くというだけだ。
 だから、こんなことで勃起しているなんて、嘘だ、断じて。

 「んむ……はっ、ぁむ、ぅ……ぁ、んぅ……」

 眠る俺の性器にむしゃぶりつき、恍惚として竿を頬張っているのは、俺の近侍、清光だ。
 審神者として手に入れた最初の一振り。それが清光だった。
 性格に少し難はあれど、清光は普通の男子学生のようだった。少し口が軽く、俺を慕い、お洒落好き。そんな清光を俺は少し変わった弟のようなつもりで可愛がってきた。
 俺が審神者であり清光が刀剣である以上、戦を避けることなど出来なかったが、それでも俺がやったお守りを嬉しそうに握り締めて、「おっし、出陣だー!」と威勢良く隊を率いていく姿はどうにも愛しく思えてならなかった。
 とはいえ、その愛というのは前にも述べたとおり、あくまで親愛の類のものだ。決して恋や、性欲に繋がるものではない。
 それなのにこうして寝込みを襲われ、ましてや完全に勃ち上がったペニスを喉奥まで使って懸命にしごかれ、張り詰めた玉袋まで刺激を与えられて、今にも射精しそうだなんて、どうかしてる。

 「あ、あ、ぁ……あるじぃ……かんじて、くれてるの……?うれしい……」

 苦いはずの先走りを美味しそうに舐めて、うっとりと破顔する清光に理性は残っていないようだ。
 そもそも、まだ寝てなどいなかったのだ。どうにも寝付けずに困って半刻、ようやく眠気を感じ始めたところに清光が突然やってきたので、悪いと思いつつも狸寝入りをしてしまったのである。
 それがまさか、こんなことになるなんて。

 「あっあっあっ、あるじ、あるじ、あっ、ぁぁ、あっあっあぁぁっ」

 遂に俺の性器を咥え込み、騎乗位で喘ぎ始めた清光に、それでも寝ている振りで押し通す。何度も言うが、俺はゲイではないのだ。いくら清光の具合がよかろうと、薄目を開けて盗み見るその痴態に息を呑みそうになろうと、俺はノーマルの男性として生涯を全うする。





 「……あれ、主、おっきくなった?」
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