今日は雨が降っている。しかし、ザアザアと上から降ってくる大きな大きな雨粒は、ガラス越しでしか見ることが出来ない。日の光も、分厚い雨雲のせいでいつものようには浴びられない。

「うわ、すごい土砂降り‥」

これじゃあ今日は部活なしになるだろうなあ、と彼が呟いた。窓越しまで来た彼のパジャマが少しだけ触れる。


「そうだ、水変えるね」

いつものように、彼と廊下に出た。



ふと窓の外を見ると、雨に打たれている植物たちを見つけた。たくさん水を浴びていて、なんだか気持ち良さそうに見えたが、何かが違う。日光ではない。空気の温度でもない。

「これでよし」


あ、これだ。彼からの気持ちだ。
彼は、いつも慈しむような優しい瞳を私に向けてくれる。もしかしたら、これはとても恵まれているのかもしれない。だって、あの子達はきっとこんな風に人からの愛を受けていないはずだから。

天からの恵みである雨を受けられない私は、彼からの愛情いっぱいの恵みを受ける。
例え神様が私のことを嫌っているからそうしたとしても、私は神様に感謝したい。そして、あの子達にこう言ってやるの。

羨ましいでしょ!



彼の傍に居れる幸福





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