強制連行、ダメ、絶対。



「じゃ、なまえ、私部活行くから」

『うん、また明日ね!』

萌江が部活に行ってしまい、現在教室に我ひとり、‥ではない

「みょうじ」

『やだ』

「まだ何も言ってねえ!」

だって君たちさっきからそればっかりじゃんか!
部活に来いだの部室に行こうだのマネになれだの
私は嫌だからね!毎日毎日周りの女の子たちに睨まれながら過ごすスクールライフ
だなんて!!

『だいたい、こんなことしてる暇があったら部活に、』

「部長の命令だからの、大丈夫じゃ」

うっわあ、先に言われたよ最後まで言わせて欲しかったのに
さっきの丸井くんの気持ちわかったわごめんね
っていうか、部長って‥誰?

「幸村じゃ」

『‥へえ』

「なんだよ、驚かねーのか」

そりゃあ外見だけだったらびっくりだけど‥うん、私、幸村くんに拉致られた身
だし
その、威圧的というか‥強引そうなイメージが定着しちゃったわけで、まあ‥み
たいな

「拉致だなんて、人聞き悪いなあ」

『いや、あれは完全に‥って幸村くん!?』

いつからそこにいたの!心臓に悪いです
っていうか、あなたも部活どうしたの部長でしょ何やってんの

「ちょっと新入部員の手続きをしていてね」

ほーん、そうなんだこんな時期に入部だなんて中途半端だね
もう4月も終わっちゃうよ

「うん、でも俺は入部してくれるの、すごく嬉しいから」

ふんふんそっか、幸村くん楽しそうだね
そんなに機嫌がよろしいなら私、もう帰っても良いですか
今日買い物に行きたいんだ

『よし、じゃあ丸井くんと仁王くんは月曜日ねー』

「はい、捕まえて」

「まっかせろぃ!」

「プリッ」

‥はい?なんで丸井くんと仁王くんは私の腕をがっしりと掴んでるの暑苦しいよ
そしてこれは一体どういうことですか、幸村くん
あと仁王くんのプリッて何

「2人とも、時間稼ぎありがとう
これで晴れてみょうじをマネにすることができたよ」

『何言ってるの幸村くん
私、マネになるなんて一言も言ってな』

「大丈夫、さっき俺がB組の担任にみょうじの入部届け出しといたから」

『えぇ!?』

ちょっとまって何が大丈夫なの冗談だよね
だってそれって完全に犯罪じゃないですか詐欺だよ詐欺!!そしてなぜ若松先生は了承だしてるの
っていうか、今話してた新入部員ってもしかして私のことか!
また言葉を遮られたうえにそれは酷いよ!お願いだから嘘だと言って!

「ぶくく」

『丸井くん笑うな』

「嘘なんかじゃないよ」

『‥ですよねー』

「さすが幸村くん!」

「ピヨッ」

なんだかこの紅白組すごいむかつく!
丸井くんは目ぇきらっきらだし、仁王くんはにやけてるし‥!あとピヨッて何、仁王くん不思議すぎるよ
そして2人とも私の腕を離せ!!逃げられないじゃないか

「みょうじ、もう諦めんしゃい」

「そうだぜぃ。お前案外諦め悪ぃな!」

丸井くん、なんかすごいどや顔だけど地味に苛つくからね!

「じゃ、部室に行こうか
みんな待たせてるし」

『い、いやだあああ』


嵌められた




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今回は長めに書けました!
無駄に長いとかは言っちゃダメ、絶対。←