拉致から始まる被害





「みょうじってどの人?」


今、誰かに名前を呼ばれた気がした
その刹那、教室の女子が黄色い声を上げ始める

え、なになに?なんか有名人でも来たの?

「君かい?みょうじって人は」

『そ、うですけど』


驚いた
だって、この人があまりにも美人だったから
綺麗な女の人に見間違えてしまいそうだった

でもなんかすごい上から目線だな!
あ、私が座ってるからかよし立とう
‥駄目だ、背が足りない

「あ、一緒に来てくれるの?
物分かりが良さそうな人で助かるよ」


ん?何が?
あれ、もしかして私、この人の話聞いてなかった?
あらららららららなんてこった
まあ着いて行けば良いみたいだし、いっか

あ、でも、

『今お昼だから、駄目』

「弁当なら持ってきて大丈夫だよ」

『いや、そういう意味じゃなくてクラスのみんなと』
食べる約束だから、と言おうとしたら周りの女の子が

「あ、なまえちゃんならどうぞ!」

「この子とはいつでも話せますから!」


と言った
‥と 言 っ た

ええええええええええちょっとみんな酷くない!?
私見ず知らずの人となんか食べたくないよ!?さすがにそこまで図太くないよ!!

「って言ってくれてるし、行こうか」

『いや、行きませんよ』

「え、何?来ないの?」

『行きます行きます行かせていただきます』


なんか今この人の背後にすごい禍々しい黒いオーラが見えた気がする
なんとも言えない威圧感というか‥なんというか‥!!
結論から言うと、勝てなかった
私、勝てなかったよちくしょう


「じゃあ、着いてきて」

『は、はあ‥』

なんだろう、廊下に出た途端、すごい鋭い視線が私を射抜いてきた気がする‥!
これはあれか、女の嫉妬か
そうかそうかこの人、綺麗で美人だもんねそりゃあモテるよ
おまけに優男っぽいし
あ、いや、さっきのを見た私はそんな風に思ってないけども


「お、ようやく来たのう」

「待ちくたびれたぜぃ」

「そうですよ部長!はやく昼飯食いたいッス!!」

『は』

「あ、おい!俺の弁当を食うな!!」

「思ったより手こずったようだな、精市」

「赤也、丸井!あいさつもしないで食べ始めるとは何事だ!」

『‥なにこれ』

「みんな、聞いてくれ
彼女がみょうじ なまえさんだ」


カオスって言葉をご存じですか




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なんか急展開ですね!!(@゜▽゜@)