「さっきのお願いは、本気なんだよな?」

しっかりと顔を見て聞けば、ばつが悪そうに彼女は視線を逸らす。

「そりゃあ、あんなこと冗談で言うはずないでしょう?」
「そうか。俺は構わないぞ」
「・・・えっ?」

視線がかち合う。目を丸くした彼女に微笑みを向けたまま、そっと距離を詰める。

「受け入れるってことだ」

固まったままの彼女の頬に手を添え、触れるか触れないかのキス。
顔が真っ赤なのは、西陽のせいだろうか。

「さ、サンクレッド!あなたはそうやってたくさんの女の子を・・・」
「俺は、本気だ」

沈黙。
この気持ちが僅かでも伝わればいいのに。

「でも・・・好きな人いるって」
「なんだ、まだ気付いてないのか」
「えっ?」
「いや、俺はお前が思ってるよりお前のことが好きってことだ」
「うん・・・?」

よく分かってなさそうな彼女の言葉に、思わず笑いが溢れる。

「俺の恋人になってくれ、メリー」
「えっと・・・うん、いいよ」
「そうか」

微笑む彼女を思わず抱き締めた。数々の戦いをくぐり抜けてきた英雄のイメージとは程遠い、柔らかな体。
そっと背中に腕が回される。嬉しくて腕に力がこもった。



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