「サンクレッド」
「あぁ、メリーか」

灼熱の太陽が射す南ザナラーン、リトルアラミゴ。帰路の途中で立ち寄ったところで声をかけられた。
声の主は暁の仲間、かのエオルゼアの英雄殿だ。

「どうだった?」
「クリスタルを溜め込んでいる様子はないし、しばらくは再召喚はないと踏んでいいだろう」
「そっか」
「お前はなぜここに?」
「丁度頼まれごとが終わったとこ。サンクレッドはこれから砂の家に帰るの?」
「あぁ」
「徒歩で?」
「そうなるな」
「私もゴブレットビュートに帰るとこだから途中までだけど送っていこうか」
「いや、大丈夫だ。慣れた道だし、英雄に手間をかけさせるわけにはな」

思いもよらぬ提案にそう笑って返せば、彼女は困った顔をする。

「じゃあ・・・私がサンクレッドと話したいからちょっと付き合ってよ」
「・・・そういうことなら、お供するとしようか」

にこっと微笑んで指笛を吹く。大型の赤いチョコボが走ってきた。
彼女に手を引かれ、後ろに跨る。

徒歩とは比べ物にならない速さで大地を駆けてゆく。自分よりやや低い彼女の後ろ姿をぼんやり眺めていた。



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