鏑木・T・虎徹




「愛してる」熱っぽい声が耳朶に届いた。けれどそれは酒にだらしない虎徹の寝言だと知っていたので、男はただ溜息を吐いた。こんなことで熱を帯びる自分に対して。眉をしかめた男は、仕返しのように阿呆らしく薄開きになった虎徹の唇に己の熱を分けた。
written by:光(@Julius_Li) [〜Auf die Wange Wohlgefallen, 頬なら厚意]





いつもの調子で肩から腕が回って、胸がざわめく。その度、いかに俺が心乱されてるかなんて、この人は気づかないのだ。そのことがたまらなくて、目の前の腕に噛みついた。「何すんだよ!?」「この鈍感」キスしたい気持ちをこうして誤魔化す気持ちにもなれって話だよ!
written by:ぐるぐる(@suzushi211)[〜Arm und Nacken die Begierde, 腕と首なら欲望]





「お前さ、もうちっと周りの気持ちに気付いてやれ」目の前のこいつは眉を潜め「意味わかんねー」とか言っている。こいつに惚れた奴は大変だな。ぽんぽんぽんと浮かぶ顔に同情し、俺はこの子供の頬にキスをした。「大人の忠告は聞いておくもんだぞ?」「…子供扱いすんな」
written by:耀子(@avenir_yohko)[〜Auf die Wange Wohlgefallen, 頬なら厚意]





疲れたと仰向けにベッドに倒れ込んだ彼の体に跨ってにやりと見下ろす「じゃあ、今夜はもう休業か?」「んなわけねぇだろ」伸ばされてくる手。体だけの関係は綺麗に幸福と絶望をもたらす。あの薬指のリングが邪魔をするから、いつもキスするのは唇じゃなくその首筋
written by:東條(@ak_tj)[〜Arm und Nacken die Begierde, 腕と首なら欲望]





「よォ、飲んでるかぁ!?」おっさんの絡み酒まじでうぜえ。ぶっちゅうう、と音がするぐらい頬に吸いつかれてもなすがままだ。抵抗は無駄だとすでに悟った。「貞操奪われないように気をつけなさいね」ネイサン、怖いこと言うなよ恋でなく厚意であれ!
written by:くわた(@kuwacapu)[〜Auf die Wange Wohlgefallen, 頬なら厚意]





グリルパルツァーさんの言葉を引き合いに、ネイサンに煽られ「私のどこにキスしたい?」などという何とも恥ずかしい質問を虎徹さんにぶつけた。唇だといいなぁ…なんて思いとは裏腹に虎徹さんは「腰」だと言う。ネイサンにそれを報告したら奇妙な顔をしていたけどなんで?
written by:島田(@shiMa5o)[〜Ubrall sonst die Raserei. それ以外は、狂気の沙汰]





「ってことがあったんだよな」「何それ自慢ですかーおじさん嫉妬ですー」「どっちに嫉妬?」「…」「ふ、あははは!」「わ、笑うことないだろうが!」「ごめんごめん。じゃ、俺も虎徹にキスしたげる。どこがいい?レジェンドと同じ場所?」「…ここ」「りょーかい」
written by:はくさい(@DxxxxH)[〜Sel'ge Liebe auf den Mund; 唇なら愛情]





「今、どこにキスしたい?」「どこって、うなじ?」後ろから抱きかかえている恋人を見下ろしている状態だと、綺麗なラインが目に飛び込んでくる。「虎徹さん欲求不満なんだ、離れて変態」「変態で結構なんでしてもいい?」真っ赤に染まったうなじを前に舌なめずり。
written by:島田(@shiMa5o)[〜Ubrall sonst die Raserei. それ以外は、狂気の沙汰]





グリルパルツァーなる人は言った、額に贈るキスは友情だと。なんで?額って結構近いよ?友情なわけないじゃん!声高にそう叫ぶと、虎徹さんがそっと唇で額にふれてから確かにな、とほくそえむ。友人以上、恋人未満。額にキスする関係がただの友人であるはずもないのだ。
written by:島田(@shiMa5o)[〜Freundschaft auf die offne Stirn, 額なら友情]












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