やまろくさんにもらった嶺レン
｢レン君の笑顔って貼り付けてるみたい｣
偶像の象徴のような彼は笑う。
突きつけられた指先は首筋に触れ、ツツ…とそのまま下っていく。
寛げられた鎖骨をなぞる。
くるくると指先が円を描くと背中に悪寒が走った。
｢あ、やっぱり笑顔なんだね｣
彼の声のトーンは変わらなくて、それが余計に恐ろしい。
鎖骨から指が離れると、堪えていた息がはあ、と漏れた。
それを聞いた嶺二が切なげな笑顔になる。
｢ずっと笑ってるしかなかったんだね。癖になっちゃってるよ｣
それ、愛想笑いでしょう？といって嶺二はレンの髪を撫でる。
大きなお世話だ、と偶像を睨み付けるが
｢たまにはそんな顔もしなよ｣
と流された。
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