おとさんにもらった嶺レン
僕はいつも正装で武装して。
君はいつも略装でへらへら。
それが僕には腹立たしくて。
君の服に真っ赤なソースをぶちまけた。
怒るかなって少し期待をしたのに、
大好きな赤を一身に浴びれて嬉しいのか、
君はまたへらへらと笑うものだから。
僕は君の背に向けてこっそり中指を立てた。
あぁ、どうしてこうも意識が噛み合ってくれないのか。
いらいら、いらいら。

だから君とはここで、
さよならグッバイ。

本当は、本当は。
嘘吐きな笑みが得意な君を好きだったんだ。
だって僕と一緒だったから。
だけど君は僕とは違う愛され方をしていて。
とても羨ましくて。
妬ましかった。

でも君の服を汚して気付いたのだ。
ただただ、妬ましかっただけだったんだな、って。
好きでも何でもなかったんだな、って。
汚れた君を見て、僕はこんなにも。
心から笑えるのだから。

「ごめんね、服汚しちゃって。」

(嘘吐けこの下衆野郎!)


ドレスを脱げ/ゲスの極み乙女。

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