「俺はな、岳人の向日葵になりたいねん」
「はあ?意味分かんねえ」
「せやったら自分で調べたらええわ」


ほら貸したるから、と差し出された一冊の本を向日は凝視する。花言葉図鑑、と書かれた文字が水色の表紙の上で輝いている。


「このラブロマオタクが…」
「ラブロマ関係あらへんやん」
「どうせそういう系のところから手に入れた知識だろ?花言葉とか女子じゃねえんだからよー」
「あ、今の差別用語やで」
「うるせえ」
「忍足ー、次お前だぞー」
「ほな俺試合やからこれ読んどき」
「あ、ちょ、侑士!」


制止の声を無視して遠ざかっていく背中、そして残された自分の足元に置かれた例の本の順に視線を移す。そこで初めて向日は一枚の付箋に気がついた。黄色いそれはやけにミスマッチで、一際目立っている。何気なくそのページをめくると先ほど相方が口にしていた黄色い花があり、花の下には何か文字が書かれていて。


「…侑士の馬鹿野郎」


ひとまず他の人に見られないよう、真っ赤な顔を本で隠した。



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ヒマワリ(私の目はあなただけを見つめる)

ラブロマ好き侑士はこういうことをさらっとしそう。



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