完璧すぎる立花に劣等感で死にそう

立花くんは、美しいひとだ。そう、美しい。それに対して、あたしは、美しいなんて言葉とは対極的なおんなだ。みにくいのだ。ひとことで言ってしまえば。外側から内側まで。できることなら、誰にもこの姿を見せずにひとり寂しく死んでしまいたい。誰にも知られることもなく。誰にも看取られることなく。
「みょうじさん、こんにちは」
「こんにちは、立花くん」
こんな、些細な会話(会話とすら言えないような)でさえ立花くんはにこやかに、誰とでも同じように接する。あたしにさえも。それがさらに、あたしという人間の汚さを際立たせているような気がして、いっそ、醜いものだと軽蔑してくれたら。いっそ、罵ってくれるなら。いくらか、楽になれるのに。


ちしま