獄寺なんか嫌い


あのね、いつもはいえないけれど。
どきどきして、いつも口をつぐんでしまうけれど。
私、あなたのことが。



「だいっきらいだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



某ドラマの雑草のように明るくめげない主人公のように叫んでみました☆(てへっ)



なんなんだあいつ。人の顔見る度に「ちっ」とか舌打ちやがって!私になんかうらみでもあんのか?あぁ?(でも間違ってもこんなこといえない)(だって怖いしね)うん、つまりは獄寺くんのことなわけなのですが。



「おい退けよ邪魔だくそ女、十代目のおとおりだ」
「(えぇ!私かよ!)(誰だじゅうだいめ!)‥‥‥‥‥(勝手に通ればいいじゃない!)」
「ちっ」



うわぁこのひと本人目の前にして舌打ちとかありえねぇ。獄寺くんと一緒に沢田くんが申し訳なさそうにこっちを向いて私の前を横切った。沢田くんいじめられてたり?いやいや、そんなことないよね?うん。(自己完結)



教室に戻って椅子に座る。ああもういらいらする、あいつのせいだ獄寺!こんな日ははやくおうちに帰ってお菓子パーティーをするにかぎるよね!確か昨日おかーさんが買ってきたみるかのチョコがあったはずだ。あのチョコめちゃくちゃうんまいんだ、めいじよりおいしい。高いだけのことはある。



「おまえかおゆるんでるぞー?」
「!や、やまもと!」



私ってそんな顔に出やすいのか。いや、でもそこまで顔ゆるませてないはず、うん。山本は隣の席で、私はいつかファンの子に殺されないか毎日がどきどきなのだけど。いつものように山本スマイルをふりまきながら(ぐあ、まぶしい!)机にぺたんと顔をつけて私のほうを向いた。



「なぁみょうじ、お前獄寺のことどう思う?」
「うええ!なに、え、いきなり何?」
「いや、ちょっと」



いきなりの山本の発言に私はびっくりしてがたがたと椅子をならした。
なにがいやちょっとだよ!
ちっともちょっとじゃねぇ。



「べ、べつに!なんとも思ってないけど!」
「ふぅん、へーぇ」



な、なんだ山本そのにこにこ顔は。と、乱入者。



「おい野球馬鹿!十代目がお呼びだぜ、‥!なんでくそ女がここにいるんだよ!」
「な、なによここ私の席だもん、ここにいたっていいでしょう!」



山本はまた始まったよ的な顔で沢田くんと話を始めた(このやろ!)



「だいたいいつもなんなの!人の顔みるたび舌打ちして!なんか文句あるなら口で言いなさいよ!」



あ、私がんばれ。今ならなんでも言える気がする!



「ちっ、」
「あ、ほらまた!」
「うるせぇな!お前がつっかかってくるからだろ!」
「じ、自分が悪いんじゃん」
「なぁなぁ」
「「うるさい山本!」」



「なぁツナ、あいつらお似合いだと思わねぇ?」
「?」
「だって獄寺、絶対みょうじのことすきじゃんなぁ」
「‥‥そうかなぁ?」



「大体なんで中学生のくせにたばこ吸ってんの!肺がんになって死んじゃっても知らないんだからね!」
「お前になんで心配されなきゃいけねぇんだよ!」
「ばっ、心配なんてしてないでしょ!」
「心配しろよ!(!しまった!)」
「だからなんなの!もう!かってにすればいいでしょ(ああ私何言ってるんだ)」
「っ!ああかってにしてやるよ!俺は十代目と話をしようとしてたんだ邪魔すんなくそ女!」
「(だから十代目だれだよ!)邪魔なんかしないもん、いー、だっ」



ほっぺをよこにのばし少しでも獄寺を馬鹿にしているようにみえるような表情をして教室をあとにした。
ふんだ、あんなやつだいっきらいなんだからね。



「(あーまたやってしまった‥‥)」
「はは、馬鹿だな獄寺。素直になれよ☆」
「(いつか果たす‥‥)」




ちしま