ランボさんと出会う
いやいや、どうしたものか。コンビニにいってアイスでも買いに行こうかなー、なんてことをちらっとお母さんに言っただけなのにじゃあこれもこれもと牛乳やらなんやらかさばるものばかり頼まれた私は(コンビニってすげぇ)(なんでも売ってるんだもんな、恐るべしコンビニ)思いビニール袋を持ちながら大きな飴玉を口の中で転がしていた。
川べりの道を歩いているとおやおやあれは同じクラスの沢田くんじゃないですか。なんだか小さな牛柄(牛柄!)の子供と一緒に座ってるし、牛柄の子は泣いてるし。なんかかわいいなあの子。
誘拐犯みたいなことを考えて、いやいやそんなことないですよと頭をぶんぶん振って、私はどうするべきなのかうずべきすたん。(いやもう意味がわからない)
よし、れっつちゃれんじ。
「さわだくん」
私がどきどきしながら沢田くんに声をかけてみたら牛柄の子がとてとてと私の足元に擦り寄って抱きついてきた(!)
「こらランボ!ごごごごごめんみょうじさん!」
「や、いいよ大丈夫だけど。弟?」
「いや、弟じゃないんだけど」
ふむ、と足をつかんで話さない牛柄の子と目線を合わせるためにかがんでみた(今鼻水つけたでしょ)
「(えっと、ランボっていうんだっけかこの子は)ランボくん?」
「(絶賛号泣中)う・ら・ランボさんは(ぐしっ)あ・飴玉と(ずびっ)ぶ、ぶどうがだいすきなんだもんね!」
「(はなみずー)そかそか、ランボさんは飴玉がすきなのね。それじゃぁランボさんにアメをあげよう」
さっきのビニール袋からごそごそやって飴玉の袋を取り出した。
「がははは!ランボさんあめもらったんだもんねー!」
(おおう泣き止んだぞこの子)
「こらランボ、ありがとうだろ」
(なんかお父さんみたいだなぁ沢田くん)
「うん、ありがと!」
(ぐはぁ、かわいいぞ
そしたらまた離れてくれなくなって、沢田くんががんばって離そうとしてくれたけど無駄だった。
よしそれじゃぁ沢田くんちまでランボさんつれてくよ、と私は言って、ひたすら申し訳なさそうな表情を浮かべるっ沢田くんとだいぶ落ち着いてきたランボさんと手をつないで沢田家に行くことにした。
ころころとさっきよりも小さくなった飴玉をなめながら(沢田くんにもあげた)となりをあるく小さな男の子に目をやる。
ああもうかわいいなぁ!
靴下につけられた鼻水のことは忘れて(ついでにさっき買ってきたアイスが溶けてしまうのも忘れて)なんだかほんわかした気分になって笑っていたら沢田くんに変な目で見られた気がする。きっと気のせいじゃないだろう。
せっかくだから夕飯でも、といってくれた沢田くんのママ(かわいいひとだなぁ)に丁重にお断りして沢田くんとランボさんにさよならしてちょっとスキップして帰ってみた。
ちしま
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