長次に恋するあの子に嫉妬する


相手は幼い子どもだ、本気で嫉妬するほうがおかしいのだ。しかしあのこが先輩のもとへ走りより先輩があのこを抱き上げる瞬間、どうしようもない苛立ちにおそわれるあたしはあのこよりも幼い。


「なかざいけさまあ!」


幼い、小さな恋心すらもくだけてしまえとひそやかに祈る。



ちしま