みょうじとヤってから幾日か、時間があえば一緒に夕飯を食べに行き、そのまま俺の家でセックスしたりしなかったり。友達ではないが恋人でもない、セフレみたいな関係が続く。時折、うわごとみたいに「みょうじ、俺と付き合って」なんて言っているけど「ちょっと、考えさせてほしい、かもしれない」「利用すればいいじゃん」「それはやだ、ちゃんと、ふっきれたら」「ふっきれんのっていつ」「、」「お試しでいいじゃん」こんなバカみたいなやりとりを繰り返す。セックスはしてんのに。一緒のベッドで寝てんのに。


「なんでわたしなんかのこと好きって言ってくれんの」
「理由がないとだめか」
「わたしめっちゃいじわるかもよ、おこるとこわいよ、性格わるい最悪な女かもよ、ていうかさいあくだよ」
「いいよ」
「・・・いわいずみ、うわきしない?」
「しない」
「ほんとに?」
「しねーよ」


笑って隣でシーツに顔を埋めるみょうじの髪の毛を梳けばくすぐったそうに身をよじる。時折、背中に鬱血痕を見つける。俺がみょうじと会うのは週末、きっと元彼とあっているのは俺のつけた鬱血痕が薄くなる頃。


「いわいずみ、ごめんね、」


くぐもったみょうじの声はシーツに吸い込まれていって聞こえなかった。



2015/08/10
ちしま