あい、あい、あいしてる 不二由美子

わたしは、由美子さんのことがすきです。すきっていうのは、すきっていうのは、わたしの由美子さんのすきは、ちゅーしたり、その、えっちしたりする、すきってことで、でも、こんなこと言ったらもう、由美子さんはわらってくれない。だからずっとずっと胸にしまいこんでいました。だけれど、大学で不二くんという名字の男の子と知り合って、由美子さんの実弟だということを知って、周助くん、わたし、あなたのことを利用しようとしています。


「ななくさちゃん、? わああ、久しぶりねえ‥!」


彼女がわたしを覚えていてくれたのがすごくうれしくて、うれしくて、泣きそうになりました。連絡を絶っていたものですから、びっくりされるのも無理はありません。ごめんなさい、でも、あきらめられませんでした。


「あとでタルトタタン持って行くわね、ゆっくりしていて」


「満足かい」
「、ごめんなさい、気付いてるとは思ってたけど、」
「そのうえで僕は君を誘ったんだよ、気にしなくていい」


周助くんは最初から気づいてたようで、わたしと由美子さんの姿を高校の文化祭で見ていたようでした。ごめんなさい、ごめんなさい、これしか思いつかなかったんです。
好きな人ほど、その感情に気づきやすくなるものだよ、と周助くんは微笑みました。わかるような気がします、わたしにとっての、好きな人は由美子さんですから、由美子さんが恋をしているとわかったのはわたしが一番であると自負しています。恋。わたしが失恋をした瞬間でもありますが、由美子さんは、いつも笑っていました。


「姉さんのことがすきでも、かまわない」


僕と付き合ってほしい、と言ったら、君はどうする?
周助くんはそう言って微笑みましたが、すぐに、困らせてしまって、ごめん、と謝りました。そしてわたしにキスをしました。冷たい、くちびる。


「ななくさちゃんのためなら、いつだってとんでくわ。困ったことがあったらすぐに言うのよ。だって、私、ななくさちゃんのことだいすきだもの」


わたし、いま、困ってますよ、すごく、すっごく。




あい、あい、あいしてる


由美子さんって誰→テニスの王子様 青学レギュラー不二周助のお姉さんです


ちしま