よけいなおせわ 丸井


わたしだけのひみつの場所だと思ってたのに瞬間影が落とされて、太陽さん隠れちゃったのかなあと思ったら丸井だった。さいあく。「げっひでえかお」うるせえ!まあ丸井がいうことももっともなんだけど、。


「ちょ、いいからこっちくんな!ぜったいくんなよまるいぶんた!」
「もう来たっつーの、うおわ、泣いてんのかお前」
「わたしにはかんじょうというものはありませんきっとだからこれはただのオイル漏れです(早口かつ無機質な声を演出)」
「あーそうかそうか、器用なやつだな、」


丸井はしょうがねえなあとぼそっとつぶやいて隣に腰をおろした。おろした?なんでお前隣に座るんだよ、!余計な御世話だっつーの!ここは何も言わずに立ち去ってほしかったんですけど!ぷくー、と風船ガムをふくらます丸井、ぱん、と風船が割れて、また噛んで、ぷくー。ぱん。


どうしてここにくるかな、正直見られたくないし、だっていまのわたしマスカラは溶けてぐちゃぐちゃだろうしアイラインだってよれよれのパンダ目にちがいないだろうし鼻だって赤いしずびずびすすってるし、うわあわたしさいあくだな!女としてどうよ、どうなのよ。


「‥じゅぎょうはじまっかんね、」
「もともとさぼりにきたんだっつーの。かんちがいすんなよぃ」
「かっ」


勘違いって、その、わたしのために残ってくれてるとか、そういうこと?‥なにそれわたしすごくはずかしい子じゃん、はずかしい子だけど、うう、丸井め。でもちょっとうれしい。
ひざに顔をうずめてめそめそしてたら、頭に重み、丸井の手のひらだってすぐにわかったけれどだまってた。ひざはきっとまっくろになっている。そのかわり、マスカラが落ちたおかげで瞼がほんのすこし軽い。


「 、ありがと」
「おう」


ぜったいみかえしてやるんだから、わたしをふったことを後悔すればいい。泣いて土下座でもしてくればいいんだ、!覚えてろよ、わたしみたいないいおんなほかにいないんだから。


丸井、ちょっと元気でたからあとでお菓子かってあげるね。



ちしまふうろ