つたないこいごころ 三橋



はるのさんと、はじめて日直を、することになった。から、俺は、すごくうれしくて、どきどき、する。どうして、うれしいか、よくわからないけど、田島くんが、いうには、はるのさんのことを、すきだから、みたい、だけど、よく、わからない。


俺は、ふたりきりになって、緊張して、はるのさんのこと、なかなか見られない。日誌が、さらさらときれいな文字でうめられて、いく。きれいな、字だ。


「みはしくんて、わたしのこと、きらい、なの?」


びっくりする。きらいなんかじゃ、ないよっ。


「しんぞうっ が いっ、いたいん、だ」
「?きらいで?」
「ちがっ、う」


はるのさんは、俺にきらわれてると、おもってるのか、なあ。それはかなしい、ことだ。はるのさんはふあんげに、まゆをよせたかとおもうと、わらった。ふわんと、えがお。


「それじゃ、みはし、わたしのこと、すきなんだねえ」
「すき 、?」


はるのさんのこと、すき?すきだから、こうなるの、かっ。


「そうだよー、すきなひとのことをおもうと、むねがぎゅーってせまくなるんだって」
「ぎゅー」
「ぎゅー」


俺のこころ、ぎゅーって、なってる。いつも、いつも、はるのさんみると、ぎゅーって。これが、すきって、ことなのか。はまちゃんといても、あべくんといても、ぎゅー、って、しない、もんなあ。はるのさんだけ、ぎゅーってなる、の。


「わたしは、みはしくんのこと、かんがえると、ぎゅーってなるんだよ」
「‥おれもっ、ぎゅー、って、なるっ」


これって、


「おれっ、はるのさんのことっ」


恋してるみたいだっ。





つたないこいごころ



ちしまふうろ