口が聞けない女の子と鐘会2
先日、私は不可解な女を拾った。
「はい、いいえ。」
「は、い、いえ…?」
見よう見真似で首を振る女に私は溜め息を吐いてもう一度言う。
「はい、いいえ。」
「はい、いい、え…?」
「そうだ、やれば出来るじゃないか。」
ふん、と鼻を鳴らし頭を撫でてやれば嬉しそうに目を細める。
「しき、すき!」
「……ああ。どういたしまして。」
こいつの好きは感謝の意だ。
どこで聞いたのか、私が部屋に帰ると好き、と頭を下げられた。
「しき、いつも?ずっと、すき!」
「、気にするな。」
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