冷静沈着。
仕事人間。

感情を表に出すことは少なくて、常に眉間に皺を寄せてる。
そんな男が俺の恋人だ。

付き合って5年。
同棲して3年。
其の間、
なんであの人と付き合ってるの?
大丈夫なの?
なんて台詞を何度も言われてきた。
その度に
彼に心底惚れているから。
なんて返して。
納得いかないような顔をされたけど、
彼の魅力は俺だけが知っていればいい。


「小十郎さーん。起きてー、朝だよ?」

布団にくるまり身動き一つしない小十郎さんを揺さぶる。
完璧にみえる小十郎さんも朝は弱い。
起こすのは俺の役目。

「ん、……おはよう、」

「おはよ。今日は和食だよ?」

「あぁ、……佐助。」

名前を呼ばれて顔を近づけると唇に暖かい感触。
毎日欠かさないおはようのキス。
こういうささやかなスキンシップがあるから、無口でも仕事優先でも愛されてると実感できる。
幸せだなぁと思う。

「佐助、明日のクリスマスなんだが。」

「仕事じゃないの?」

「あぁ、だが早く終わらせる。だから外で飯を食うぞ。」

「わかった。楽しみにしてる。」

5年も一緒にいればクリスマスに休みが取れないことくらいわかっている。
夜を一緒に過ごしてくれる。
それだけで嬉しい。
小十郎さんだって一緒に過ごしたいと思ってくれているだろうから。

「駅前のクリスマスツリー前で待ち合わせな、7時にはそこにいく。」

「……あんまり無理しないでね?」

いつも帰ってくるのは日付が変わる頃だ。
それほどまでに忙しい小十郎さんが7時に帰ろうと思うと相当無理をしなければいけないだろう。

「俺がお前といたいんだから気にするな。ご馳走様、今日も美味かった。」

「そっか、ありがと。…お粗末様でした。」

「じゃあ行ってくる。」

「行ってらっしゃい。」

靴を履き、仕事に向かう小十郎さんの肩に手をかけて、頬にキスをする。
そのまま出て行った小十郎さんを手を振りながら見送った。

「さて、俺も支度しますか。」

朝ごはんの片付けをするために部屋へと戻った。







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