共依存

どうしてこうなったのか。
考えても心当たりがない。
わかる事は一つ。
久しぶりにあった恋人が酷く怒っているということ。

「ふっ、もうやめっ。」

「うるせぇ。お前の意見は全て却下だ。黙って喘げ。」

「あっ!んぁ。」


苛立ちが隠しきれない台詞と共に
激しく突かれ声がもれてしまう。
ほんとにどうしてこんな事になってしまったのか。
ここ最近忙しいくて会えなかったから、会えたら優しく抱きしめて欲しかった。温もりを感じたかった。こんなのは違う。

「無理矢理やられて感じてんだろ。淫乱。」

耳元で囁かれたその言葉からは俺のことを嘲っているのが感じられ、瞳が熱くなる。
駄目だ、泣くな。女々しい。
そうは思うももの涙を堪えることは出来ず嗚咽がもれる。

「ふっ、…っなんで。なんでだよ…!気に入らないなら謝るからっ。だからっ」

泣いているせいで言葉が繋がらない。それでも、今言わなければはこの関係も終わってしまう気がした。

「なんでだ?そんなもんてめぇの心に聞きやがれ!!俺がどんな気持ちでっ……。」

「……政宗?」

言葉は怒っているのに泣いている気がした。どうしてそんなにも悲しそうな顔をするのか。酷いことをされてるのは此方だというのに。

「……結婚すんだろ。あんた。」

「え…。」

「別に構わねぇさ、あんたが結婚しようがしまいが。……ただ覚えときな。あんたの身体はもう俺無しじゃいられないってことをな!」

「あっ、っんあ!!っーー!」
今まで止まっていた律動が再開し深く奥まで突かれ絶頂に達した。
同時に中に出された熱いものを感じ政宗も達したのだとわかる。
そのままぎゅっと抱きしめられた。直接肌に触れる温もりに安心する。どれほど酷く扱われてもやっぱり政宗のことが好きだと思う。

「政宗…。何を勘違いしてんのかしらねぇが、結婚なんざしねぇ。」

「嘘つくな。見合いしたって聞いたぜ。」

「確かに見合いはした。」

「やっぱりあんたも俺を捨てんだろ!俺を一人にすんだろ!」

俺を抱きしめてる腕が小さく震える。泣いて欲しくなくて背中に手を回して強く抱きしめた。

「最後まで聞けって。見合いはした。だが断わった。」

「…本当か?」

「誰のせいだと思ってんだ。てめぇのせいだろ。もうとっくにてめぇ無しで生きられなくなってんだよ。こっちは。」

「……悪い。あんたの気持ちを疑った。」

「許して欲しけれりゃ……接吻してくれ。んであんたの温もり感じさせてくれ。」

そっと口に落ちてくる温もりに愛おしさが募った。
母親に愛されなかったせいで愛し方がわからない不器用なこの男がどうしようもなく愛おしい。


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