A HAPPY NEW YEAR


「大晦日まで仕事とか…。どんだけ仕事人間なんだよ…、小十郎さんのばーか。」

つぶやいた言葉は冷え切った部屋に響き渡った。
本当なら今頃一緒に年越しそば食べながら年末の特番でも見てるはずだった。
それが壊されたのは二時間前のこと。
小十郎さんの携帯に入った一本の電話。
取引先でトラブルがあったらしく、その収拾に駆り出されたのだ。
「蕎麦も伸びちゃったし……。」

気合いを入れて作った蕎麦もテーブルの上で冷めて伸び切っている。
俺だけでも食べようかと思ったけど、虚しさが募ってやめた。

「早く帰って来てよ…小十郎さん。」

年が明けるまであと5時間。
いつになったら帰って来てくれるのだろうか。

「……さすけ、佐助。おいおきろ。」

「んん、……こじゅうろうさん?」

「あぁ、遅くなって悪かったな。」


体を揺さぶられて眼を覚ませば仕事に行っていたはずの恋人。
待ってる間に寝てしまっていたらしい。

「……おかえりなさい。」

「ただいま。こんなところで寝るな。風邪を引くだろう。」


「大丈夫だって、それよりお腹すかない?なんか食べた?」

俺の体調を心配してくれるのは嬉しいけどそんなに柔じゃない。
それより働き詰めの小十郎さんの方が心配だった。

「何も食べてねぇな。」

「じゃあ蕎麦つくるよ。待ってて。」

「いや、蕎麦よりお前を食わせろ。」

「へ?何いって……、ふっ、んん、」

小十郎さんの言葉に首をかしげていると
顔が近づいてきてキスをされた。
唇の隙間から舌が侵入してきて、口内を犯す。
巧みな舌技に体が熱くなる。

「ここんとこご無沙汰だったんだ、いいだろう?」

耳元で低く甘い声で囁かれた。
俺がその声に弱いことを知っててやるのだからずるい。

「ん、せめてベットで…、」

「もう我慢できねぇんだ、ここで姫始めといこうじゃねぇか。」

「姫始めって、年明けてからでしょ……?」

「ヤってるうちに年明けんだろ。……もう黙れ。」

再びキスをされる。キスに夢中になっているうちに小十郎さんの手が服を脱がしていく。
あっという間に何も纏ってない状態になった。

「ん、…、はぁ、」

右手で乳首を、左手で俺のものを同時に愛撫される。
俺の体を知り尽くしてる小十郎さんに愛撫されてはすぐにイッてしまいそうになる。

「ん、やだ、…一緒に触るのやめ…あっ、」

「気持ちいいだろ?素直にいっとけ、」

「ん、あぁぁぁぁ!!……はぁ、」

その言葉と同時に両手の動きが激しくなり、絶頂を迎えた。
射精の心地よさと倦怠感に包まれる体を再び小十郎さんの愛撫が襲う。

「やっ、ちょっと待ってよ…、」

「今やられると感じすぎるからか……?」

「わかってんなら……っ、んぁっ、」

乳首を触っていた右手が尻の穴の入り口を撫でる。
撫でられているだけで感じてしまうこの体が憎い。
早急にでも丁寧に指が入ってくる。
一本、二本と続けて入ってきた指は確実に感じるところを攻めたててきた。

「あっ、ん、あぁ!!や、もう……。」

イッたばかりの体には強過ぎる快感。
達してしまいそうになったその瞬間愛撫が止まった。

「なんで……?」

感じすぎるのも辛いけどイかせて貰えないのも辛い。
イかせてほしくて小十郎さんを見つめると
不敵な笑みを浮かべていた。

「一緒の方がいいだろ?」

後ろに熱いものがあたったかと同時に思うと一気に挿入された、

「あぁ!……っ、はぁ、はぁ。」

しっかりと解されていたから痛みはなかったが圧迫感に息が詰まる。
だが小十郎さんが動きだしたら圧迫感は快感に変わった。

「…あぁ、ん、ふぁ…」

激しい律動に絶頂が近づく。
「そろそろか。……イけ。」

「あぁ!!…っ。」

「くっ……。はぁ、今年もよろしく。」


「……こちらこそよろしく。」


今年もこれからもずっとこの人の側にいれたらいい。


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