君といる幸せ。
背中に背負う三日月を見るのは久しぶりで。
その後姿を見ていたら嬉しくて嬉しくて。
思わず抱きついてしまった。
「っ、おい!!」
「あ、ごめんねー?」
思いきり抱きついたせいか。
勢いが殺せず、二人で倒れこんでしまう。
俺の気配に気づいて振り返っていた小十郎さんを押し倒した形になった。
「お前なぁ。突然どうした。」
此方を見る小十郎さんの眉間には深い皺がよっている。
その顔さえもかっこいいと思ってしまう俺はもう重症だ。
「ふふ。」
口では文句をいいながらも引き離されないところをみると小十郎さんも同じ気持ちなんだろう。
こみ上げる嬉しさのまま小十郎さんに抱きつく。
強く強く抱きしめる。
「ったく。」
諦めたのかされるがままになっている小十郎さん。
それをいいことに身体のあちこちを触ってみる。
手を握ったり頬の傷に触れたり。
触るだけじゃ飽き足らず口付けを落としていたら流石に止められた。
「おい……。」
「いや?」
「いやじゃねぇ。ただ、どうせするなら口にしやがれ。」
その言葉に応えるよう唇に口付ける。
唇の隙間から下を潜り込ませて相手の舌と深く絡ませる。
「ふっ…、んっ……好きだよ。」
「あぁ。俺もだ。」
口付けの間に伝えた気持ちに返ってきた応えに幸せを感じながら、再び深く口付けた。
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