やきもち。



大人だから、年上だから我慢していた。
そんなことで妬いていると思われたくなくて。
かっこつけていたかった。
でも限界がある。
俺の視線の先にはソファに座り電話する佐助。
楽しそうに笑いながら会話している。
相手は真田幸村。
幼馴染で家族同然の二人は学校でも休みの日でもいつも一緒にいるらしく、俺の家にいる時もこうして電話をしている。
次の日に会うんだから一日くらい電話しなくてもいいだろうと、言ったこともあるが、心配だから声を聞きたいと言われた。
佐助が過保護なのかと思いきや、真田もそう思ってるらしい。
この二人はお互いに依存している。
呆れるほどに。
そこに恋愛感情はないとわかっている。
わかっているが……。
久しぶりに会ったというのに、此方も見ないで放ったらかされると、流石に腹がたってくる。

「はぁ…。どうしたもんか。」

いい加減此方を見て欲しい。
大人げないとわかっているがもう我慢できなかった。
電話に夢中な佐助に近づいて後ろから電話を取り上げる。


「……え!?」


驚いてる佐助は無視して、電話の向こうの真田に呼びかける。

「悪いな、佐助は返して貰う。」

『片倉殿!?』

それだけ言って電話を切る。
ついでに電源も落として、部屋の隅に投げる。


「ちょっと!?何して……ん、ふぅ。」


文句を言う佐助の口を塞ぐ。
そのまま深いキスを仕掛けると此方を睨んでいた佐助もおとなしくなった。


「……はぁ、突然なに……。」

「悪いがお前が思ってる程大人じゃねぇんだよ。……俺を放ったらかしたんだ、覚悟は出来てるんだろうな?」

その場に押し倒し再び深いキスを仕掛ける。
恋人を放ったらかしにするとどうなるか、その身にわからせてやる。








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