サッカーに誘われたから参加してみたらコケてしまった。まさか完璧な俺がコケるなんて。うわ、血が流れてる。財前に見られてたら………教室の窓から顔出してる黒髪は…。あ、口パクしてる。何?だ、さ、い、っ、ス、わ……部活の時覚えとけ!とりあえず保健室に向かう。

「センセー、ってあれ、みょうじさん?」

保健室には先生の姿はなくて代わりに椅子に座って外を見てるみょうじさんがいた。こっちに気付いた彼女に先生の所在を問えば、「どこか行った」と返ってきた(いいのか、それ)。そのあとみょうじさんに手当てをしてもらった。消毒が傷に染みて痛い。

「これでよし」
「おおきに」
「あ、白石くんって五組やんな?」
「そやで。なんで知っとんの?」
「だって白石くん有名やし。二年でテニス部部長になったーとか、かっこいーとかよう聞くで」
「へえー?」

内心みょうじさんはどう思っているのか気になった。保健室を一度出てから中を覗く。

「また来るわ」

なぜそんなことを言ったのかわからない。ただ外を見てたみょうじさんの顔が頭から離れなかった。






教室に戻る途中、保険医に出会した。慌てて声をかける。

「先生!」
「なんや、白石くんやないの。どないしたん?」
「今日の保健室の当番誰かわかりますか?」
「なまえちゃんやけど?」

みょうじなまえ、頭の中で繰り返す。お礼を言ってその場をあとにした。先生がにやにやしてるとも知らずに。




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