今日は水曜日。保健委員の私は週一度の当番に当たっていた。怪我人や病人がいないのはいいことなんだけど……暇。保険医であるしーちゃんは「あとは任せた!」とか言ってどっか行っちゃったし。一年の頃も保健委員だったけど変わらないなあ。溜め息を吐いて外の景色を見ていると、保健室のドアが開けられた。

「センセー、ってあれ、みょうじさん?」
「あ、白石くん」
「どーも。先生居らんの?」
「どっか行ってしもたわ。どないしたん、怪我?」
「ちょお擦りむいてしまってな。絆創膏貰いにきたねん」

ほら、と見せられた腕からは結構血が出ていた。土も付いてるみたいだから消毒もしたほうがいいな。保健室にある長椅子に座るよう促す。

「絆創膏くれたら自分ですんで」
「いいから座っててーや。仕事なくて暇やってん」

ガーゼを当てて消毒液をつける。傷に染みたのか白石くんは少し顔を歪めた。大きめの絆創膏を出してみたけど傷を覆うまでにはならなかったから、ガーゼをテープで固定した。

「これでよし」
「おおきに」
「あ、白石くんって五組やんな?」
「そやで。なんで知っとんの?」
「だって白石くん有名やし。二年でテニス部部長になったーとか、かっこいーとかよう聞くで」
「へえー?」

保健室の利用者の欄に「二年五組白石蔵ノ介」と記入する。白石くんは保健室のドアに手をかけ出ていった。と思ったらチラリとドアの隙間から顔を覗かせて一言、

「また来るわ」
「!」




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