三年二組、俺のクラス。やのに目の前に居んのは一組のはずのなまえ。……まあいつものことやねんけどな…あー慣れって怖いわあ。

「あたしだってさー、って謙也聞いてるん!?」
「聞いてる聞いてる」

財前やろ、何回聞かされたと思てんねん。ほんまこいつらめんどいわ。






「ちょおええですか」

ああ、ほんまめんどくさいねん!俺が返事する前に財前は部室まで引きずりおった。……先輩は丁寧に扱えや!!

「あー、あかん」
「なんかあったんか?」
「なまえ先輩んこと考えるだけで苦しくなるんですわ。あー、好きすぎておかしなってまう。……なに笑ろてんスか」
「く、や…っふ」
「ウザいわー」
「だって、おま 後ろ…っ」
「は」

財前がゆっくりと振り返ったそこには顔を真っ赤に染めて目を見開いたなまえが。ちらりと見えた財前の耳は赤かった。

「せ、せんぱい…い つからそこ、に」

おーおーあの財前がどもっとるわ。なまえも真っ赤やし。タコやなタコ。なんやたこ焼き食いたなってきた。

「俺たこ焼き買うてくるわ。あとは当事者だけで頑張りー」
「ちょっ」
「け、謙也!」

ひらひら手を振って部室を去る。さすがにそこまで面倒見れへんわー。明日は二人で報告にくるんやろな……なんかムカつくし青汁奢らせたろ。ほんま、両想いやねんからもっとはよくっつけっちゅー話や。

キューピッドも楽ちゃうわ!




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