オレンジの日が差す放課後の教室に俺となまえはいた。なまえは涙を流し、俺は彼女を慰める。 「好、き すきだ…ったの に…」 「…知ってる」 「な …で、っなん でよぉ…っ!」 なまえには付き合ってた男がいた。告ったのは相手だけどなまえも好きだったからオッケーしたんだと。それを聞いたときなまえを好きだった俺は目の前が真っ暗になった。けどさっきそいつに「飽きたから別れて」と言われてフられたらしい。 「…そんなやつのこと忘れろよ」 「っう…、く」 なまえの涙を止めたいと思う反面この状況を喜ぶ最低な俺がいる。自分には俺しかいない、そう思わせてやる。 「ぶ…ん太は やさし、ね…」 「……んなことねー」 優しいわけがない。好きなやつが泣いて弱ってるところにつけ込む俺なんか。 「俺がいるから」 「う、ん…っ」 やさしく、ないんだ。 --- title:No.87 |