部活が終わり、財前と話しながら校門をくぐろうとしたら同い年ぐらいの女子が倒れていた。

「ちょ、ええ!?なんやこの子!」
「気絶してますね」

動揺する俺に対して至って冷静な財前。おい、なんでや。彼女と財前を交互に見遣る。すると財前が怠そうに口を開いた。

「そん人、謙也さんみたいにこの看板に思っきしぶつかってはりましたわ。ちゅーことであとはよろしゅう」
「どーゆーこっちゃ!ちょ、待ちや、財前!!……行きおった。俺にどうせえっちゅうねん…」

あああああああああああああ…って俺ん家病院やん。けど連れて行くにしても起きてもらわな…。とりあえず校門の前にいるわけにもいかないので倒れている彼女を隅まで運んだ。それによって少し眉が動く。ちょっと声をかければ起きるかもしれない。

「おーい、自分大丈夫か?」
「……」
「もしもーし」
「ん、」
「あ、目ぇ覚ました」
「………え、は、ちょ、ちょ、まっ!?」
「な、なん?」

目を覚ました彼女は俺の顔を見るなり目を丸くして吃った。目を擦ったり瞬きを繰り返している。一通りその動作を行った彼女の口からは「けんや」と俺の名前が紡がれた。

「なんで俺の名前知っとるん?どっかで会ったことあったっけ」
「ああ、神様!これがトリップってやつですね!ありがとうございます!」
「…と、とにかく俺ん家病院やし、行くか?」
「はい、よろこんで!」
「……」

変な子と会ってしまった。早くオトンに診てもらった方がいいかもな…。




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