今日も学校で担任の話を聞きながら謙也に想いを馳せていた。次の瞬間、担任から衝撃的な言葉が発せられるまでは。

「突然だが明日、大阪の四天王寺へ校外学習に行くことになった」

…………なんですと!?四天王寺!?先生グッジョブ。どこ行こう!とりあえず四天王寺中学に行ったあと、金ちゃんとリョーマがテニスしてた場所に行って……と、予定を立てていたら明日についてのプリントが回ってきた。ワクワクしながらそれに目を通す。集合時間、集合場所、服は私服で、

「!?」

思わず声を出しかけた。じ、自由行動がない!これはまさか、予想外。どうしよう。せめて中学だけでも行きたい…。………しょうがない、グループ行動みたいだしトイレとか何とか言ってちょっとだけ抜けよう。うん、これしかない!幸いこの集合場所と中学は近いし(前から近辺は調査済み)。よっしゃ、いっちょやってやります!






きたきたきた!来ましたよ大阪!四天王寺!先生が言う注意事項を聞き流しながら、バレないように辺りを見回す。先生話長いよ!早く終わって!私の念が通じたのか、話が終わり、グループ行動に移ることになった。私は他のグループや先生が散り散りになったのを見計らって「ごめん、トイレ行ってくる!」と切り出した。わかったー、と言う友達に軽く頭を下げながら猛ダッシュ。履いてきたロングスカートが足に纏わり付いて邪魔だ。なんて考えていたら、

「着いた…!」

目の前には「四天王寺中学校」と掲げられた学校がある。校門には謙也が顔面衝突した看板。興奮を抑えながらゆっくりと近づいて行く。

ぶに。

「え?」

と思ったときには既に遅し。黄色いもの、基バナナの皮を踏んだ私の足は後ろに滑り、体は前に倒れる。目の前には看板。ゴンッ、という音とともに私の意識は暗闇に飲まれた。




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