謙也謙也謙也謙也謙也。私の頭は謙也でいっぱい。どうしたら謙也に会えるんだろう。きっと大半の人は三次元に存在する私が二次元の謙也に恋するなんて気持ち悪い、現実を見ろって思うんだろうけど好きになったものはしょうがない。本気で惚れてしまったんだから。私だって自分のことを異常だと思う。だけど謙也のことを諦めるなんて、況してや嫌いになるなんてできるわけがない。

「はあ…」

友達に言えば間違いなく引かれるから私が謙也を好きなことは誰にも言ってない。悪いことをしてるわけじゃないのに隠し事をするのは苦しいってことを初めて知った。どうして私は三次元で謙也は二次元なんだろう。どうすれば彼に会えるんだろう。テニスをする?走り込む?青汁を飲みまくる?ライブハウスに通う?とにかく持ち物を星型にする?イグアナを飼う?全部やったけど奇跡が起こるはずもなく。

「どうしたらいいんだろう…。ねえ、いぐっさん…」

クッションの上に丸まっているイグアナのいぐっさん(オス)に声をかければ、つぶらな瞳を私に向けて首を傾げた。か、可愛い…!ちなみに私がイグアナを飼いたいと言ったとき両親は快くオーケーしてくれた。二人とも昔イグアナを飼ってたことがあるんだって。なんか変な血を引いちゃったなあってはじめは思ってたけど、今思えば爬虫類を飼うことを簡単に許可してくれる親なんてそういないだろうし運がよかったよね。

じっといぐっさんを見つめていたら、彼は立ち上がって自分の尻尾を追いかけるようにグルグルと回りだした。いぐっさんの空腹の合図。ちょっと待っててね、と声をかければ回るのをやめて大人しくクッションの上に座る。犬や猫に比べて本当に賢いと思う。まあ犬も猫も飼ったことないけどね。

「はい、晩ご飯は人参スティックですよー」

いぐっさんは草食。いぐっさんは、というかイグアナは基本的にみんな草食なんだけど。人参を口元に近づければシャリシャリと食べだす。謙也もスピーディーちゃんにこうやってご飯あげてるのかなあ。




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