みょうじの席は彼処な、と指さされた場所には空席が二つ。首を傾げれば窓側の方や、と付けたされる。指定された席に着いたところで前の席の女の子に話しかけられた。

「自分めっちゃおもろいな!これからよろしゅう」
「いや、あれは不可抗力というかなんというか…」

女の子、りっちゃんと話しているとSHRが終わったためぶわっとクラスの子が私の机に集結してきた。なまえちゃんってよんでええ?あのポーズもっかいやってや!腹捩れるか思たわ〜どっから来たん?わからんことあったら何でも聞いてや!一気に話しかけてくる皆に目を回していると、ガラリと開けられた扉によってそれは止まった。そしてまた声を上げるクラスメイト。なんだこのクラスは一回静まってから騒ぐのが決まりなのか。そして椅子に座っている私を皆が立ち囲んでいるせいで誰が来たのか見えない。

「なんや千歳!二日連続朝から来るなんて珍しいやん」
「まあSHRには間に合わんかったけどな〜」

千歳だと!?はっ!そういえば嫌でも目に付きそうな巨人は教室に見当たらなかった。そしてもしかしなくても私の隣の空席って…!

「なんか目ぇ覚めたっちゃ。そんなこつより皆集まってどぎゃんしたと?」
「ん?ああ、転校生が来てんけどな、それがめっちゃおもろいねん!」
「いや、ちょ、」

だからなんでハードルあげるの!やめて!ひょこっと千歳の顔が上から覗く。え、でか。千歳ってこんなに大きいの?ほぼ真上を向く首。口を開けて眺めていると「千歳千里ばい。よろしく」と声をかけてくれた。いや、うん、なんというか、さ。

「すごく身長高いね!どれくらいあるのかな?2mぐらい?わあああ!そんな高さ想像もつかないや!私こんな高い人初めて見た!すごいすごいすご…」

席を立ち、周りの皆を掻き分けて千歳の周りで飛び跳ねていたら視線を感じて動きを止める。皆のキョトンとした顔に冷や汗がだらだら流れた。私またやっちゃったよー!!千歳はぱちくりと目を数回瞬かせ「む、むぞらしか…」と言って倒れた。ええええ!?




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